大学生の子どもへ「月8万円」仕送り中ですが、先日「食費1万円以下にしてる」と言われ驚き! 夫の年収は500万円で余裕はありませんが、あと“2万円”ほど仕送りを増やすべきでしょうか? 体を壊さないか心配です…

配信日: 2025.06.11

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大学生の子どもへ「月8万円」仕送り中ですが、先日「食費1万円以下にしてる」と言われ驚き! 夫の年収は500万円で余裕はありませんが、あと“2万円”ほど仕送りを増やすべきでしょうか? 体を壊さないか心配です…
一人暮らしの大学生に仕送りをしている家庭では、子どもの生活状況が見えにくく、不安を感じる人は多いでしょう。月8万円の仕送りをしていても、「食費が月1万円以下」と聞けば、健康面が心配になるのではないでしょうか。
 
少しでも健康的な食事を取ってもらうためにも、仕送りを増やすのは解決策の1つになりそうですが、親の家計状況も踏まえて慎重に判断する必要があるかもしれません。
 
本記事では、仕送りの平均額や学生の食生活の実態を確認しつつ、親ができる食事の支援方法について考えます。
富澤佳代子

仕送り月8万円は多い? 少ない?

全国大学生活協同組合連合会の「第60回学生生活実態調査」によると、2024年の自宅外通学生への仕送り平均額は月7万2350円です。月8万円の仕送りは、平均よりやや高い水準といえます。
 
同調査によると、食費の平均は2万6110円となっており、食費が月1万円以下というのはこれを大きく下回る数字です。
 
とはいえ、年収500万円の世帯に月10万円の仕送りは楽ではないでしょう。総務省の2024年の家計調査によれば、2人以上世帯の消費支出は月30万円程度です。年収500万円の場合、手取り率を80%と仮定すれば手取りは年400万円、月の手取りは33万円となります。
 
平均的な消費支出30万円には仕送り金として約6000円が含まれていますが、今回のケースでは仕送りは8万円ですから、手取り33万円の場合は赤字となっている可能性が高いでしょう。
 
ここに、仕送りを2万円増やすとさらに赤字は広がります。もちろん、家計の支出はそれぞれでしょうが、これ以上の仕送り増額は厳しいという家庭のほうが多いというのが現実でしょう。
 

食費1万円以下は珍しい? 節約の実態と健康リスク

日本冷凍食品協会が2024年に実施した調査では、大学生の約4人に1人が「月1万円以下でやりくりしている」と回答しています。
 
「野菜が高いので買うのを控えている」「節約して作りたいものが作れない」という声もあり、経済的な理由で満足な食事が難しいという人もいるようです。
 
例えば、野菜を減らして安価な炭水化物中心の食事に頼るという生活が長引けば、栄養バランスが崩れ、体調を崩すリスクが高まります。「月1万円」は極端ではないものの、健康維持にはやや不安の残る水準といえそうです。
 

食費が少ない理由を見極めて、適切な支援方法を選ぶ

食費が少ない理由は、単純に仕送り金額が少ないからではないかもしれません。例えば、遊びや衣服の購入を優先してお金を使い、食費を減らしている可能性もあるからです。
 
まずは子どもと話し合い、仕送りの使い道を具体的に確認しましょう。食費以外への支出が適切であれば仕送りの増額も検討したいところです。
 
しかし、食費にお金が回っていないだけであれば、お金の使い方を変えてもらう必要があります。もしかしたら仕送り金額を変えずに食事の改善ができるかもしれません。
 
仕送りの一部を「食事のみに使える支援」にするのも有効です。大学生協のミール定期券や食事定期券を親が購入する方法、あるいは冷凍食品や食材を定期的に送る方法もあります。大切なのは、仕送りの金額ではなく、子どもにあった支援なのです。
 

どうしても支援が必要な場合は教育ローンも選択肢に

どうしても仕送りを増やさざるを得ない状況で家計が厳しい場合は、教育ローンの利用も選択肢の1つです。
 
例えば、日本政策金融公庫の教育ローン(年利3.15%)で120万円を返済期間10年で借りた場合、在学中4年間は利息のみ月3200円、卒業後6年間は月1万8400円の返済となります。総返済額は約147万円です(連帯保証人が立てられない場合は別途保証料が必要)。
 
利子は決して安くないですが、大学卒業後に支出が減れば返済の負担はそれほど大きくないでしょう。一時的な資金補てんとして考えても良いかもしれません。
 

「仕送りを増やす」以外にもできることがある

仕送り月8万円は、決して少ない水準ではありません。親の生活がギリギリであれば、安易に仕送りを増やすのではなく、まず子どもの支出状況を把握することが先決です。
 
必要に応じて、ミールカードや食材支援など、目的に合った形で支援を行うことで、家計と一緒に子どもの健康を守れるでしょう。
 

出典

全国大学生活協同組合連合会 第60回学生生活実態調査 概要報告
総務省 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要
一般社団法人日本冷凍食品協会 全国の一人暮らしの学生に聞く 食生活事情に関する調査
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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