50年前の国立大学の進学にかかる費用は「10万円」以下!? 教育費が上がった背景とは?

配信日: 2025.06.10

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50年前の国立大学の進学にかかる費用は「10万円」以下!? 教育費が上がった背景とは?
文部科学省が公表する資料によると、50年前の国立大学の進学にかかる費用は「10万円以下」であったことが分かっています。しかし、令和5年では約82万円と、50年弱で大幅に値上がりしました。
 
そこで本記事では、国立大学の進学費用の変化と、教育費が上がった背景について解説します。大学への進学を予定しているご家庭は、参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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大学進学にかかる費用の変化

文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」を基に、国立大学の進学にかかる費用を表1にまとめました。
 
表1

年度 授業料 入学料 合計
昭和50年 3万6000円 5万円 8万6000円
平成元年 33万9600円 18万5400円 52万5000円
令和5年 53万5800円 28万2000円 81万7800円

出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」を基に筆者作成
 
昭和50年から授業料や入学料は少しずつ上昇し、平成元年では合計で約53万円、令和5年では約82万円になりました。昭和50年と令和5年を比較すると、10倍近くも増加していることが分かります。
 
教育費が上がっているのは国立大学だけではありません。公立大学は、昭和50年の授業料と入学料の合計が5万2915円だったのに対し、令和5年では91万562円と約86万円上がっています。
 
私立大学も同様で、昭和50年の授業料と入学料の合計は27万8261円でしたが、令和5年では120万11円と、100万円近く上がっています。
 

大学の教育費が上昇している背景

大学の教育費が上昇している背景には、学習内容や学習方法の変化が考えられています。
 
今の大学は、討論やフィールドワーク、発表など、自分から積極的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」を取り入れ、社会で役立つ力を育てる教育が主流となってきています。こうした学びを支えるために「ラーニング・コモンズ」と呼ばれる、自由に使える学習スペースなどの施設整備も必要となっているといわれています。
 
一方、一般的に大学に入る年齢である18歳の人口は減っており、大学同士の競争が激しくなる状況もあるようです。大学側は社会に評価されるような教育や研究をして、生き残れるような工夫をしていくのでしょう。
 
こうした背景が、授業料が値上げされる動きにつながっていると考えられています。
 

大学資金を用意する方法

大学の進学にかかる費用は、一般的に次の方法で用意しているようです。


・貯蓄
・学資保険の積み立て
・奨学金
・教育ローン

大学の授業料や入学料のほか、自宅から通うのか一人暮らしかなど、大学にかかる費用は人によって大きく異なります。
 
まずはご家庭の経済状況をふまえて、必要な金額と準備の方法を整理することから始めましょう。利用できる制度を上手に活用することも、資金を工面する際のポイントです。
 

昭和50年から比べると国立大学の授業料などは約10倍に上昇。背景には学び方の変化や入学者減少などがあると考えられる

令和5年時点での国立大学の授業料は、昭和50年ごろと比べておよそ10倍近くにまで増加しています。公立大学や私立大学の授業料についても同様に上昇しており、大学進学にかかる経済的負担は年々大きくなっているといえるでしょう。
 
こうした背景には、学習内容や教育方法の高度化、施設整備の充実といった教育環境の変化に加え、少子化による学生数の減少など、さまざまな要因があるといわれています。
 
将来の大学進学に備えるには、できるだけ早い段階から計画的に準備を進めることが重要です。貯蓄を始め、奨学金の活用や教育ローンの利用など、家庭の状況に応じた方法を検討しておくと安心です。
 

出典

文部科学省 令和5年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について (参考2)国公私立大学の授業料等の推移
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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