小学5年生の子どもに4万円の「メガネ」を購入!「9歳未満だったらタダだったかも」と言われたのですが、なにか助成があったのでしょうか? 制度利用のための要件を解説

配信日: 2025.06.06

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小学5年生の子どもに4万円の「メガネ」を購入!「9歳未満だったらタダだったかも」と言われたのですが、なにか助成があったのでしょうか? 制度利用のための要件を解説
新学期が始まり、小学校では春の健康診断が実施される時期となりました。学校から、視力検査の結果を知らせる用紙を持ち帰ってきたお子さんもいるのではないでしょうか。
 
小学校高学年になると、教室内でも眼鏡をかけている子どもの数が増えてきます。視力の低下は学年が上がるのとともに進行し、保護者の中には「そろそろ眼鏡が必要かもしれない」と感じる人もいるでしょう。
 
そんな中、「9歳未満なら眼鏡代が無料」といった話を耳にしたことはありませんか? これは特定の条件を満たす場合に健康保険から眼鏡代の一部が助成される、「小児弱視等の治療用眼鏡」に対する助成制度のことを指しています。ただし、一般的な近視による視力低下では対象にならないので注意が必要です。
 
本記事では、この制度の仕組みを分かりやすく解説します。あわせて、子ども用眼鏡の価格の相場についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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小学生の視力低下と最近の子ども用眼鏡の価格

文部科学省の令和6年度学校保健統計調査によると、裸眼視力が1.0未満の小学生は36.84%にのぼり、これは過去最高の数値となっています。この背景には、スマートフォンやタブレットなどデバイスの使用増加や、屋外活動の減少などがあるとされています。
 
また、ロート製薬の2024年の調査によると小学生の約21.8%が眼鏡またはコンタクトレンズを使用しており、眼鏡やコンタクトレンズ使用の主な理由は近視です。ただし、前述の通り、今回の助成制度は近視による視力矯正眼鏡は対象外で、「治療用眼鏡」が対象となっています。
 
治療用眼鏡とは、斜視・弱視・先天白内障術後の屈折矯正の治療用として用いる眼鏡及びコンタクトレンズのことを指します。
 
ここで、子ども用眼鏡の一般的な相場を確認しておきましょう。
 
子ども用眼鏡のうち、近視による視力矯正眼鏡の価格は、フレームやレンズの仕様によって幅がありますが、比較的安価なモデルで5000円台からあり、1~2万円台の価格帯が主流です。なお、購入時には価格だけでなく、成長にともなう度数の変化も考慮して、保証や交換サービスの有無も大切な判断材料となります。
 
一方、治療用眼鏡の価格は、レンズを含めた一式の価格で3~4万円程度が一般的です。
 

子ども用の眼鏡代が助成される制度とは?

「小児弱視等の治療用眼鏡」に対する助成制度は、医師が「治療用」として必要であると認めた場合に、健康保険から費用の一部が支給される制度です。
 

助成の対象

助成の対象となるのは、健康保険に加入しており、医師から弱視・斜視・先天性白内障術後の矯正が必要と診断された9歳未満の子どもです。
 
また、過去に同様の助成を受けている場合は、再申請まで一定の期間を空ける必要があります。5歳未満は前回の処方から1年以上、5歳以上は2年以上の間隔が必要とされています。
 
申請には、医師の作成指示書、治療用眼鏡購入時の領収書、療養費支給申請書などが必要です。そのため、記載内容や提出先は保険の種類や自治体によって異なるため、事前確認が欠かせません。
 

助成の内容

令和6年度の基準では、治療用眼鏡の作成費用は上限4万492円を上限として、その7割(就学児)または8割(未就学児)が健康保険から支給されます。さらに、多くの自治体では、残りの自己負担分を子ども医療費助成制度により補助しており、実質的な負担が軽減される仕組みとなっています。
 
例えば、就学児が4万円の治療用眼鏡を購入した場合、

・健康保険からの支給(7割)2万8000円
・子ども医療費助成による補助(3割)1万2000円

このように、合計4万円の補助が受けられ、4万円の購入費に対して自己負担がゼロになるケースもあります。
 

まとめ

治療用眼鏡の助成制度は、医師の診断により治療が必要とされた9歳未満の子どもを対象に、健康保険や自治体の制度によって費用の一部または全額が補助される仕組みです。一般的な近視による視力矯正眼鏡は対象となりませんが、9歳を過ぎると助成の対象外となるため、弱視が疑われるなど気になることがあれば早めに眼科で相談しておくと安心です。
 

出典

文部科学省 令和6年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)確定値を公表します。
厚生労働省 「小児弱視等の治療用眼鏡等に係る療養費の支給について」の一部改正について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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