児童手当が「18歳」まで支給されますが、全部貯金しても「教育資金」としては足りませんよね? 手当以外にどのくらい貯めたらいいでしょうか?

配信日: 2025.06.06

この記事は約 4 分で読めます。
児童手当が「18歳」まで支給されますが、全部貯金しても「教育資金」としては足りませんよね? 手当以外にどのくらい貯めたらいいでしょうか?
児童手当が18歳まで支給されるようになり、教育資金の備えに安心感が増した保護者も多いでしょう。しかし、私立を選択する場合や大学進学などを見据えると、児童手当だけでは十分とはいえません。
 
本記事では、児童手当の総額や教育資金の目安、不足する分を補うための方法について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

児童手当の総額は約230万円

児童手当は、子どもが0歳から18歳に達する日以後の最初の3月末まで支給されます。支給額は子どもの年齢によって異なり、図表1のとおりです。
 
【図表1】

子どもの年齢 支給額(一人あたり月額)
3歳未満 1万5000円(第3子以降は3万円)
3歳以上 高校生年代まで 1万円(第3子以降は3万円)

※こども家庭庁「児童手当制度のご案内」をもとに筆者が作成
 
児童手当の総支給額は、0歳から3歳未満までは「1万5000円×36ヶ月=54万円」、3歳以上から高校生年代までは「1万円×180ヶ月=180万円」で合計234万円です(第1・第2子の場合)。
 
ただし、子どもの生まれた時期(早生まれ・遅生まれ)によって支給期間が変わり、最終的な支給総額に差が出る場合があります。
 
また、第3子以降は支給額が月額3万円に増えるため「3万円×216ヶ月=648万円」となり、合計額も大きくなります。
 

幼稚園~大学までにかかる教育費

文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によれば、公立・私立の幼稚園から高校までにかかる教育費は図表2のとおりです。
 
【図表2】

公立 私立
幼稚園 18万4646円 34万7338円
小学校 33万6265円 182万8112円
中学校 54万2475円 156万359円
高校(全日制) 59万7752円 103万283円
合計 166万1138円 476万6092円

文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」をもとに筆者が作成
 
また、日本政策金融公庫の「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」によると、大学にかかる教育費は、図表3のとおりです。
 
【図表3】

国公立大学 私立大学文系 私立大学理系
入学関連費用 67万2000円 81万8000円 88万8000円
在学関連費用(1年) 103万5000円 152万円 183万2000円
4年間の合計額 481万2000円 689万8000円 821万6000円

※「4年間の合計額」は「入学関連費用+在学関連費用×4年」で計算
日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」をもとに筆者が作成
 
第2子までの場合、児童手当の総額はおよそ230万円です。
 
この金額を幼稚園から高校までの教育費に充てた場合、児童手当と教育費との差額は以下のようになります。
 
・幼稚園から高校まですべて公立
230万円-166万1138円=63万8862円

 
・幼稚園から高校まですべて私立
230万円-476万6092円=▲246万6092円

 
となり、つまり、すべて私立に通わせると、児童手当だけでは約246万円が足りなくなる計算です。
 
また、大学の教育費も含めた場合、児童手当と教育費との差額は以下のとおりです。
 
・幼稚園から高校が公立、大学が国公立
230万円-647万3138円=▲417万3138円

 
・幼稚園から高校が私立、大学が国公立
230万円-957万8092円=▲727万8092円

 
・幼稚園から高校が公立、大学が私立理系
230万円-987万7138円=▲757万7138円

 
・幼稚園から高校が私立、大学が私立理系
230万円-1298万2092円=▲1068万2092円

 
幼稚園から高校までをすべて公立で通った場合は、児童手当だけでまかなえる可能性があります。しかし、上記試算によると私立に通う場合や大学進学まで含めて考えると、約246~1068万円もの資金が不足する可能性があります。ただし、この計算は平均額をもとにしたものであり、実際には子どもが通う学校などによって異なります。
 

児童手当で不足する分を補うための方法

児童手当だけでは教育費をまかないきれない場合、不足分を補うための主な方法は次のとおりです。

●家計を見直して節約しながら計画的に貯蓄する
●学資保険に加入して将来の教育資金に備える
●奨学金や教育ローンの活用を検討する

例えば、固定費や変動費を見直して支出をおさえることで、教育費に備えた貯蓄がしやすくなります。仮に毎月1万円ずつ18年間貯蓄できれば、216万円貯まり、教育資金の不足分を大きく補うことができます。
 
ほかにも、学資保険に加入する、教育ローンを活用するなどの方法で不足分を補うことが可能です。
 

教育費は早くから計画的に準備しよう

児童手当は総額でおよそ240万円受け取れますが、それだけで教育費のすべてをまかなうのは難しい場合もあります。教育費は家庭ごとの方針によって異なるため、あらかじめどれくらい必要になるかシミュレーションして、児童手当だけでは足りないと感じたら、早めに貯蓄や資金計画を立てて備えることが大切です。
 
早い段階から準備を始めて、希望する教育環境の実現に向けて行動しましょう。
 

出典

こども家庭庁 児童手当制度のご案内
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査
日本政策金融公庫 令和3年度 教育費負担の実態調査結果
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集