親が「老人ホーム」に入所したので実家が「空き家」になりました。電気・ガス・水道のプランはどのようにすればよいでしょうか?

配信日: 2025.06.05

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親が「老人ホーム」に入所したので実家が「空き家」になりました。電気・ガス・水道のプランはどのようにすればよいでしょうか?
親が一定の年齢を迎えると、老人ホームへ入所することもあるでしょう。その結果、実家が空き家になってしまうことも少なくありません。実家が空き家になる場合、電気やガス、水道などのライフラインをどうするべきか、悩む方は多いはずです。
 
そこで本記事では、空き家におけるライフラインについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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電気・ガス・水道は解約するべきか?

何らかの理由で実家が空き家になり、長期間に人が住まない場合、電気やガス、水道を解約したいと考える方は多いでしょう。というのも、契約内容によっては、使用していなくても一定の基本料金が発生するためです。解約をすることで、これらの料金は節約できます。
 
しかし、空き家を管理する場合は電気や水道を通しておくことが望ましいため、解約はしないほうがいいでしょう。空き家は、掃除や換気などの手入れを定期的に行わないと老朽化が進んでしまいます。掃除などの管理をするにあたって、電気や水がないのは不便でしょう。
 
一方で、ガスについては特に利用する予定がなければ解約しても問題がないとされています。むしろ、ガス漏れのリスクをなくすという意味で、解約することが望ましいとされる場合もあります。
 
水道料金は各自治体によって異なりますが、基本的に電気やガスのような契約プランはありません。一方、電気やガスは各契約会社によって、さまざまなプランがあります。
 
空き家の管理に必要といっても、電気をそれほど利用することはないでしょう。ガスを契約したままにしておく場合でも、最小限のプランに変更しておくことをおすすめします。契約を見直すことで、水道や電気、場合によってはガスを通しておいたとしても、毎月の出費を抑えられます。
 

空き家を通電しておくときの注意点

掃除などの管理のため、空き家でも電気は通しておくほうが望ましいとされています。しかし、通電している空き家では、漏電が原因で火災が発生することがあります。漏電の原因は回線の老朽化によるものや、ネズミなどの害獣が回線をかじるなどさまざまです。そのため、空き家を通電しておく場合、漏電対策は施しておくべきでしょう。
 
空き家の漏電対策として有効的なのは、不在時はブレーカーを切っておくことです。そうすれば、電気を使えるようにしていても漏電による被害は防げます。
 
漏電対策も含めて、空き家を管理するなら害獣対策も必要です。定期的に害獣が住み着いていないかをチェックし、個人での対処が難しい場合には、専門の業者に依頼することも検討してみましょう。
 

空き家に通水が必要な理由

空き家に通水が必要な理由は、掃除のためだけではありません。水道管は長期間水が流れない状態が続くと、内部がさびついて破損しやすくなります。水道管が破損したら修理や交換をする必要があるため、場所によって多額の費用がかかることも少なくありません。
 
水道管のさびや破損を防ぐために、空き家でも水を通しておき、定期的に水道管に水を流す必要があるのです。なお、しばらく水道管に水を通さずにいて、水道から赤茶色の水が流れた場合は、すでにさびている可能性があります。
 
また、定期的に水を流す行為には、下水からの悪臭が屋内に充満することを防ぐ効果もあります。
 

空き家の維持にかかる費用

実は、空き家を維持するためにかかる費用は水道光熱費だけではありません。ここからは、空き家の維持に必要なその他の費用について解説します。
 
1. 固定資産税と都市計画税
 
固定資産税は、建物や土地を所有している人に課せられる税金です。空き家であっても課税され、1月1日時点で建物や土地を所有していれば課税対象になります。
 
また、建物や土地が市街化区域にあれば、都市計画税も課せられます。
 
2. 火災保険料
 
火災保険への加入は任意ですが、入っている方が多いでしょう。加入している場合は空き家であっても、保険料を支払う必要があります。ただし、空き家は一般的な住宅用火災保険よりも加入条件が厳しく、保険料も高くなる傾向があります。近年では、空き家専用の火災保険も登場しており、空き家特有のリスクに備えられる商品もあります。
 
3. メンテナンス代
 
空き家を維持するにあたり、状況次第では修繕が必要になることもあります。専門業者などに依頼する場合、その内容によってはまとまったお金が必要になるかもしれません。定期的な清掃や庭の手入れ、屋根や外壁の修繕、カビや害虫対策などが必要な場合、専門業者への依頼で費用が加算されます。
 

電気と水道は解約しないほうがいい

空き家を管理するにあたり、老朽化を防ぐために定期的な掃除や換気などの手入れが必要です。掃除には電気や水道がないと不便であることから、空き家であっても解約はしないほうがいいでしょう。
 
また、水道を使用して定期的に水を流すことで、水道管のさびを防ぐ必要があります。対して、ガスは利用する予定がないかぎり、解約しても問題ありません。解約すれば、ガス漏れのリスクをなくすことにもつながります。
 
空き家管理の手間を減らし快適に管理できるよう、電気と水道は契約を続けて安全に管理しましょう。
 

出典

総務省 固定資産税
総務省 都市計画税
NPO法人空家・空地管理センター 空き家ワンストップ相談窓口 空き家の火災保険・地震保険
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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