家計が保有する「タンス預金」の残高は「105兆円超」の可能性も!? タンス預金のリスクと安全な金融資産を解説

配信日: 2025.06.03

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家計が保有する「タンス預金」の残高は「105兆円超」の可能性も!? タンス預金のリスクと安全な金融資産を解説
現金の保管方法として、タンス預金をしている人も多いのではないでしょうか。しかし、タンス預金にはさまざまなリスクがあるため、安全な金融資産に移行することをおすすめします。本記事では、タンス預金の残高やリスク、安全な金融資産を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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家計が保有する金融資産は「現金」が「105兆円超」

日本銀行が公表している「資金循環統計 全体版(2024年第4四半期)」によると、家計が保有する金融資産の現金が105兆2968億円でした。一方、株式会社第一生命経済研究所の試算によると、タンス預金の残高は50兆4000億円で、改刷直前のピーク(60兆円)と比較すると9兆6000億円の減少です。
 
タンス預金が減少している理由として、2024年7月の改刷により古いお札で大量のタンス預金を保有していることに不安を感じたことが挙げられます。2004年の改刷時にもタンス預金は7.5パーセント減少しており、今回は肖像が福沢諭吉から渋沢栄一に変更されたことから心理的な影響が大きかったと見られます。
 

「タンス預金」のリスク

タンス預金には、以下のリスクが考えられます。
 

・災害や盗難のリスク

銀行預金の場合、災害により通帳やキャッシュカードをなくしても本人確認が取れる書類があればお金を引き出せる可能性があります。一方、火災や地震・津波により保管していたタンス預金を失ってしまった場合、お金は取り戻せません。
 
また、現金を自宅に保管している場合、空き巣や強盗などに狙われるおそれがあります。加入している保険に盗難補償がある場合は補償を受けられますが、現金の補償額は一般的に20万円程度が限度でしょう。
 

・相続トラブル

タンス預金は相続財産に含まれますが、存在証明が難しいため、相続人が無断で持ち出しても他の相続人は引き下がらざるを得ないケースも少なくありません。また、相続後にタンス預金が発見された場合、修正申告や新たな遺産分割協議が必要になります。
 

・インフレによる価値の減少

インフレが続くと紙幣の価値が下がるため、実質的に資産が目減りします。銀行預金は金利が設定されているため、インフレによる価値の減少に対抗できる可能性があるでしょう。しかし、タンス預金の場合は利息や配当がないため、インフレの影響を直接受けてしまいます。
 

安全な金融資産

安全な金融資産には、以下のようなものが挙げられます。
 

・銀行預金

銀行預金は預けた金額が元本として保証されているため、銀行が破綻した場合も一定額まで預金が保護されます。利息を得られるのもメリットの一つです。また、株式投資や投資信託に比べて値動きが激しくないため、損失を受けるリスクも抑えられます。
 

・国債

国債とは、国が発行する債券で、政治・経済状況が安定している国ほど変動が少ない傾向です。国が財政破綻しない限り、元本割れのリスクがないため、安全な金融資産といわれます。
 

・貯蓄型保険

貯蓄型保険とは、保険料の一部が積み立てられ、満期・解約時に積み立てていた元本を受け取れる保険です。貯金に近い運用ができ、学資保険や個人年金保険などが含まれている場合もあります。
 

・金地金

金地金とは、金を保存しやすいように固めた塊のことです。金は希少性や不変性を持っているため、安定した価値を持っています。紙幣とは異なり、金はその物自体に価値があるため、インフレ時や有事の際でも価値が落ちにくい傾向です。
 

まとめ

家計が保有する金融資産は現金が105兆2968億円となっていますが、タンス預金の残高は約50兆円といわれています。
 
タンス預金は災害・盗難によりお金を失うリスクやインフレにより価値が減少するリスク、相続トラブルのリスクがあります。資産を守るためには、銀行への預金はもちろん、貯蓄型保険や国債など安全な金融資産に移行するのが賢い選択かもしれません。
 

出典

日本銀行調査統計局 22024年第4四半期の資金循環(速報)(35ページ)
株式会社第一生命経済研究所 タンス預金が急減!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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