来月手術の予定があり「100万円以上」の医療費がかかりそうです。「マイナ保険証」を使えば「高額療養費」の手続きは不要とのことですが、「入院」でも大丈夫でしょうか?
配信日: 2025.06.03

本記事では、マイナ保険証を使うと入院時でも高額療養費を受けられるのかを解説します。医療費控除と併用できるケースもあるため、併せて見てみましょう。

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「マイナ保険証」を使うと「高額療養費」の手続きは原則不要
マイナ保険証を使うと、高額療養費の手続きは原則不要になります。高額療養費制度とは、医療費の自己負担が高額になった場合、一定額を超えた部分が払い戻される制度です。上限額は、年齢(70歳以上・69歳以下)や所得水準によって異なります。
従来の保険証では、窓口で自己負担分をいったん支払い、後から申請をして払い戻しを受ける必要がありましたが、外来診療に関しては平成24年4月より高額療養費の現物給付がスタートしました。手続きの方法には、「マイナ保険証を利用する方法」と「限度額適用認定証を利用する方法」があります。
マイナ保険証を利用する場合は、医療機関などの窓口でマイナ保険証を提出し、「限度額情報の表示」に同意が必要です。
また、限度額適用認定証は、マイナンバーが未登録の場合やオンライン資格確認がない医療機関で受診する際に使用します。いずれかの方法で手続きすると、窓口での支払いを自己負担限度額にとどめられます。
マイナ保険証でも入院時の「高額療養費の現物給付」は受けられる
マイナ保険証を利用すると、入院時の「高額療養費の現物給付」を受けられます。ただし、高額療養費は、保健医療機関(外来・入院)や保険薬局など、各機関での取り扱いとなります。また、同月に外来や入院など複数受診した場合は、高額医療費制度の申請が必要になるケースがあるため、注意が必要です。
なお、保険外負担分(差額ベッド代・コップやパジャマなどの日用品)や、入院時の食事代は対象外となります。
負担した医療費によっては「医療費控除」の併用も可能
負担した医療費によっては、高額療養費と医療費控除の併用が可能になります。
医療費控除とは、一年間で支払った医療費が一定額を超えた際に確定申告することで、所得控除を受けられる制度です。なお、医療費控除には保険適用外の医療費などが含まれますが、高額療養費として受け取った金額は除外されます。
また国税庁のによると、以下の内容については注意が必要です。
●本人や家族の都合だけで個室に入院したときなどの差額ベッドの料金は、医療費控除の対象になりません。
●入院中は病院で支給される食事を摂ることになります。これは、入院代に含まれますので医療費控除の対象になります。
まとめ
マイナ保険証を利用すると、入院の場合でも高額療養費の手続きが不要になります。ただし、入院時の食事代や日用品代、差額ベッド代などの保険外負担分は対象外となるため、注意が必要です。また、医療費の金額によっては医療費控除との併用が可能になるため、高額の医療費を支払った際は、確定申告を忘れずに行いましょう。
出典
国税庁 No.1126 医療費控除の対象となる入院費用の具体例
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー