古いETC車載器を使ってたら「2007年より前のだと罰金だよ」と言われました! ゲートは通れているのに、何がいけないのですか? 買い替えは必要でしょうか?
配信日: 2025.05.31

本記事では、古いETC車載器を使用していると陥りやすい問題について解説します。

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古い車載器が招く電磁法違反の可能性とは?
2007年以前に製造された古いETC車載器を使い続けると、今後、電波法違反になる可能性があります。なぜなら、古い車載器は「旧スプリアス規格※」に対応したものだからです、必要のない電波を発してしまうため、電波環境を守る観点から規制対象となりました。
2022年12月1日以降、古い車載器の使用は電波法違反になる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響などを考慮して、移行期限が「当分の間」延長されています。
猶予期間が終了した後も使い続けると、以下の法律に違反し、罰則を受ける可能性があります。
●電波法第110条(技術基準に適合しない無線設備を使用):1年以下の懲役または100万円以下の罰金
●電波法第108条(公共性の高い無線局に影響を与えた場合):5年以下の懲役または250万円以下の罰金
※スマートフォンやETCなど、電波を発する機器は、ほかの通信や機器に悪影響を与えないよう、国が定めた技術基準に適合しているかどうかの確認が必要です。この基準に合格した機器には「技術基準適合証明」などの認証が与えられ、使用が認められます。なお、以前は現在より緩やかな基準で認証されており、これを「旧スプリアス認証」と呼んでいます。
あなたの車載器は大丈夫? 確認方法を解説
自分のETC車載器が新しい規格(新セキュリティ対応車載器)に対応しているか確認する方法は主に2つあります。特に注意が必要なのは、日産・パナソニック・デンソー・マツダ・クラリオン・矢崎の6社が2007年以前に製造した製品です。
車載器管理番号で確認する
車載器管理番号の1桁目が「1」なら新セキュリティ対応の安全な車載器、「0」なら旧セキュリティ対応の古い車載器です。管理番号は取扱説明書や保証書、車載器セットアップ申込書・車載器セットアップ証明書、車載器本体などに記載されています。
車載器本体のデザインで見分ける
新セキュリティ対応車載器には特定のマーク「●●●」があるか、「ETC2.0」のロゴがあって「■」マークがありません。一方、旧セキュリティ対応車載器は特定のマークがあるか、「DSRC ETC」のロゴがあるか、または「ETC2.0」と「■」マークの両方があります。車載器本体の型式によってはマークが書かれていない場合もあることに注意しましょう。
古い車載器を使い続けるとどうなる?
セキュリティ規格の変更により、旧スプリアス規格の車載器は最長で2030年頃までしか使えなくなる予定です。2030年以降は、旧スプリアス規格の車載器を使用すると物理的にETCレーンを通過できない可能性があります。
さらに、最新のETC2.0を利用すると特定区間で割引が受けられるサービスもあり、古いETC車載器では損をしてしまうかもしれません。
新しいETC車載器の購入と登録、セットアップは、1万5000円~5万円程度で可能です。車載器購入助成キャンペーンで1万円の割引が受けられることもあるのでお得に設置できる方法を検討しましょう。
古い規格のETC車載器を利用している場合は、早めに買い替えを検討
2007年以前に製造された古い規格の車載器を使用しているからといって今すぐ罰則となるわけではありません。しかし、猶予期間中とはいえ将来的には使用できなくなるため、計画的な買い替えが賢明です。
最新のETC2.0に更新すれば、割引率が上がるだけでなく、リアルタイムの渋滞情報や危険情報も受信できるようになります。高速道路を頻繁に利用する人にとっては、割引のメリットだけでも買い替えの価値があるでしょう。
ETCは便利なツールですが、技術や規格は進化し続けています。「古いけど使えるから大丈夫」と判断するのではなく、法令遵守と将来的な使いやすさを考えて、見直しを検討しましょう。
出典
国土交通省 旧スプリアス規格※に基づいて製造されたETC車載器について
総務省 電波利用ポータル スプリアス発射の強度の許容値に係る技術基準の改正に伴う経過措置
総務省 無線機器のスプリアス規格の変更に伴い規格にあった無線機器の運用が必要です
e-GOV 法令検索 電波法
国土交通省 新・旧セキュリティ対応車載器の識別方法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー