「古古古米」の販売は「5kg1800円」程度!? お米の価格はどうなる? 通常米との価格を比較してみた
配信日: 2025.05.31

価格は5kgで1800円前後とされ、家計の味方になるのではと期待されていますが、本当にそうでしょうか? 本記事では、「古古古米」の実態や米価格の動向、今後の対策までをわかりやすく解説します。

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古古古米とは? なぜ今注目されているのか
「古古古米」とは、収穫から3年以上経過した古い米を指す言葉です。具体的には、2021年産の米が該当し、2025年の今、政府の備蓄米として放出が始まりました。本来は緊急用に備えられていたこの米が、昨今の米価格高騰を受けて「生活支援策」として市場に流通しているのです。
古古古米は新米に比べ「味や香りが落ちる」といったイメージを持たれがちですが、保存状態が良ければ、家庭用として問題なく食べられるとされています。2022年度産の「古古米」は5月29日から販売開始され、一部のネット販売ではすぐに在庫切れとなったケースも見られます。
古古古米の価格は本当に安い? 通常米との比較
古古古米の店頭予想価格は、5kgあたり1800円程度とされています。
農林水産省の「スーパーでの販売数量・価格の推移」によると、米の販売価格(令和7年5月12日の週)は5kgあたり4285円が主流であることを考えると、確かに安価です。
ただし、味に敏感な人にとっては、古米特有のパサつきや香りが気になることもあるため、価格だけでなく「品質とのバランス」を意識することが大切です。
炊く際に水加減を多めにしたり、雑穀と混ぜたりする工夫で、おいしく食べることも可能です。また、購入後も品質低下を防ぐため冷蔵庫に入れるなど、保管場所に気をつけましょう。
米価格が高騰する背景と今後の見通し
近年の米価格高騰には、いくつかの要因があります。
・高温や降水量が少なかった地域での収穫量減少
・エネルギー価格上昇によって、農業機械の燃料費や流通コストが増加
・減反政策や農家の高齢化、担い手不足による生産力の低下
・流通構造の変化や、業者による買い占め・売り惜しみ、投機的な取引の影響による流通の不安定化
これらに対応するため、政府は新たに約30万トンの備蓄米を段階的に市場へ供給しています。ただし、その多くは「古古古米」や「古古米」であり、これによって市場価格がどこまで抑えられるかは未知数です。
農林水産省は2025年度以降の作付け支援を強化する方針ですが、気候リスクや構造的な生産課題が残る中で、長期的な価格安定は難しい状況です。
まとめ:お米の価格とどう向き合うべきか
「古古古米」の販売は、米価格の高騰に対する一時的な対策といえます。価格は手頃ですが、品質や保存状態への配慮も必要です。今後も米の価格変動は続くと考えられるため、消費者としては以下のような工夫が求められます。
・地元農家の直売やふるさと納税を活用する
・家庭でのお米の保存方法を見直す(冷蔵保存がおすすめ)
・価格や品質を比較しながら購入する習慣を持つ
安さだけで選ぶのではなく、「どのような米を、どう食べるか」という視点を持つことが、これからの時代の賢い選択につながります。今後の価格動向にも注目しながら、家計を守る工夫をしていきましょう。
出典
農林水産省 スーパーでの販売数量・価格の推移(POSデータ全国)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー