子どもが「ゲーム課金」に5万円使っていたことが判明…。返金はできるのでしょうか?

配信日: 2025.06.01

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子どもが「ゲーム課金」に5万円使っていたことが判明…。返金はできるのでしょうか?
スマートフォンのゲームは、子どもにとって身近な娯楽のひとつです。しかし、「気づかないうちに高額な課金をしていた」といった事態に直面した親御さんもいるでしょう。ある日突然、「子どもが5万円分ゲーム課金していた」と判明すれば、驚きと不安で頭がいっぱいになるのも無理はありません。
 
そこで本記事では、「これは返金してもらえるの?」「そもそもどう対処すればいい?」といった疑問にお答えするため、未成年者のゲーム課金に関する法律的な仕組みや返金の可否、そして再発防止のためにできることまでを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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未成年者の課金は返金されることがある

まず、未成年者が保護者の同意を得ずにゲーム内で課金をした場合、日本の法律(民法)により「契約の取り消し」が認められる可能性があります。これは「未成年者取消権」と呼ばれ、未成年者が自らの判断だけで結んだ契約について、後から無効にできるという制度です。
 
この規定により、保護者が「この課金は承諾していない」と申し出ることで、返金が認められる場合があります。ただし、返金が必ずしも認められるわけではなく、以下のような条件に該当する場合は返金されないことも考えられます。
 

・子どもが年齢を偽って「自分は大人だ」と偽った場合
・課金が保護者のアカウントで行われた場合(保護者が認めたとみなされる)
・課金を知った後に保護者が黙認したと判断される場合(契約を追認したとみなされる)

 
つまり、返金が可能かどうかは、課金の状況や使用されたアカウント、対応のタイミングなど、さまざまな要因によって左右されます。
 

実際に返金を求める手順とは?

未成年による課金が判明した場合、保護者としてはすぐにでも返金を求めたいところです。ただし、返金を受けるためには、いくつかの確認事項と手続きが必要になります。ここでは、返金の申し出をする際の基本的な流れをご紹介します。
 
返金を希望する場合には、以下の手順を踏むのが一般的です。
 
1. 課金の履歴を確認する
まずは、どのアプリやゲームで、いつ、いくら課金が発生したのかを把握しましょう。端末に登録されているアカウントの購入履歴や利用明細から確認できます。
 
2. 利用している配信サービスに問い合わせる
課金が行われたアプリストアや決済サービスのサポート窓口に連絡し、未成年による利用であることを説明します。そのうえで、保護者の同意がなかったことを伝えると、対応してもらえる場合があります。
 
3. アプリやゲームの運営元に直接相談する
プラットフォーム側で対応できない場合には、該当のアプリやゲームの運営会社に直接問い合わせ、事情を説明して返金を求めます。状況によっては、独自の判断で返金に応じてもらえることもあります。
 
4. 公的な相談機関を活用する
個人での交渉が難しい場合は、消費生活センターなどの公的な相談窓口に相談してみましょう。トラブル解決のアドバイスや、必要に応じて事業者との間に入ってもらえることがあります。
 

返金が難しいケースもある

上述のように、未成年の課金は返金される可能性がありますが、条件によっては難しい場合もあります。特に以下のケースでは、対応が厳しくなることがあります。
 

・保護者の端末やアカウントからの課金
・長期間が経過しており、運営側が黙認されたとみなす場合
・一度返金申請して却下された場合(再申請が受け付けてもらえない場合もある)

 
返金の可否については、あくまで個別判断となるため、「絶対に返ってくる」とはいえません。ただし、全く対応してもらえなかったというケースばかりではないので、諦めずにまずは相談してみることが大切です。
 

同じことを繰り返さないためにできる対策

高額課金が起きてしまった後は、再発防止の対策を徹底することが重要です。子どもが再度勝手にゲーム課金しないよう、以下のような対策をすぐに実行しましょう。
 
1. ペアレンタルコントロールを活用する
iPhoneやAndroidには、保護者がアプリの利用制限や課金制限を設定できる「ペアレンタルコントロール機能」が備わっています。事前にしっかり設定しておくことで、無断課金を防げます。
 
2. 認証設定を強化する
課金時にパスワードや指紋認証が求められるようにすることで、子どもが勝手に課金することを防げます。
 
3. 課金の意味と責任を教える
子どもとしっかり話し合い、「お金を使うことには責任がある」ということを丁寧に伝えることも大切です。ただ禁止するのではなく、「なぜダメなのか」「どうすれば良かったのか」などについて、一緒に考える時間を持つようにしましょう。
 

正しく対応して、子どものデジタル利用を支えよう

子どもが高額課金をしてしまうトラブルは、どの家庭でも起こり得る問題です。しかし、大切なのは「どう対応するか」です。未成年者の課金には返金の可能性がある一方で、対応の仕方を間違えると泣き寝入りになってしまうこともあります。
 
今回ご紹介したように、返金を求める際の基本的な手順を踏み、必要に応じて相談機関を活用することで、適切な対応が可能になります。また、再発を防ぐためには、保護者としてできる技術的な対策と、子どもとのコミュニケーションの両方が欠かせません。
 
スマートフォンやゲームは、子どもにとって便利で楽しいツールである一方で、責任ある使い方が求められる場面も増えています。子どものデジタル環境を支えるのは保護者の役目です。正しい知識と冷静な対応で、安心して使える環境を整えていきましょう。
 

出典

独立行政法人国民生活センター 消費者トラブル解説集 未成年の子どもがスマホゲームで高額課金してしまった!
東京都 東京くらしWEB 未成年者契約の取消し
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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