レンタカーで九州旅行中に「オービス」に撮影され、東京に戻った後に福岡県警から“出頭”の通知が! 東京からだと「往復6万円超」かかるのですが、福岡まで出頭する必要はありますか? 速度超過は30キロを超えていないと思います
配信日: 2025.05.31

当然ですが、「レンタカーだからバレない」とはなりません。レンタカーの場合であっても、レンタル履歴から容易に運転者が特定できるため、後日出頭命令が下ることになります。
東京から福岡に出頭しないといけないとなれば、反則金や罰金に加えて数万円単位で交通費がかかり、その負担は決して小さくありません。本記事では、旅行先にてオービスで撮影された場合の負担の大きさを検証します。
オービスに撮影されたときの出費は? 反則金、罰金、講習費用など
タイトルにあるように「速度超過は30キロを超えていない」という点が正しければ、交通反則通告制度(青キップ)が適用できます。青キップが適用された場合の反則金の上限は、普通車では3万5000円です。例えば、23キロ超過の場合は1万5000円、28キロ超過の場合は1万8000円です。
ただし、警察が青キップを適用しないと判断した場合、赤キップが交付され、後日裁判を受けることになります。なお、一般道路で30キロ以上、高速道路で40キロ以上の速度超過は青キップを適用できないので、赤キップの対象です。裁判で有罪判決を受ければ10万円以下の罰金が科され、この場合は前科がついてしまいます。
なお、法律上は6ヶ月以下の懲役刑が科される可能性もあるため、注意が必要です。
さらに、違反によって点数が加算されます。30キロ未満の速度超過であれば違反点数は最高でも3点です。これだけで免停にはなりませんが、これまでに違反があった場合や、今後の累積で6点に達した場合、もしくは速度超過が大きく1発で6点以上の点数がついた場合は免許停止処分が科され、さらに負担が増えることになります。
免停となった場合、車が運転できないため電車・バス・タクシーといった代替手段を使う必要があり、日常生活で追加の交通費がかかります。行政処分を短縮する講習を受ける選択肢もあります。例えば、30日の免許停止処分を短縮する場合、1万1700円の講習費用が必要です。
違反点数の加算によって、次回の免許更新区分にも影響が出ます。運転免許講習の費用は次の通りです。
●優良運転者講習 実地500円、オンライン200円
●一般運転者講習 実地800円、オンライン200円
●違反運転者講習 実地のみ1400円
今回の違反により、違反運転者講習を受けることになると、最大で1200円の差額が発生します。
このように、反則金や罰金だけでなく、更新講習費、免停に伴う代替交通機関の利用費用まで含めると、オービス違反による出費は決して軽視できるものではありません。そこに東京から福岡までの交通費が追加されるとなると、当然ですが出費はさらに増えます。
6万円超えの出費をしてまで福岡への出頭は必要?
東京在住の人が福岡でオービスに撮影された場合、出頭が必要なのでしょうか? 筆者が5月15日時点で翌16日の飛行機運賃を確認したところ、羽田~福岡の往復航空券は約7万6000円でした。時期や混雑具合によって変動しますし、空港までの交通費を考えると6万円を大きく超える可能性は高いでしょう。
新幹線「のぞみ」で行けば往復5万円以下(東京・博多間)に抑えられるものの、移動時間は片道5時間、往復で10時間と負担は大きくなります。反則金や罰金、手続きの時間などにこれらの負担が加わるのです。
ただ、東京と福岡を往復する負担は避けられる可能性があります。例えば、埼玉県警察は「県内、関東圏内など近隣の場合は指定した出頭場所への出頭が必要だが、遠隔地に住居がある場合は電話で相談するように」としています。最寄りの警察署での対応に変更してもらえるケースもあるようです。
遠方でのオービス違反は、まず「出頭先の相談」から
レンタカーで遠方の地を旅行中にオービスに撮影され、帰宅後に現地の警察署から出頭通知が届くと、金銭的にも時間的にも負担は小さくありません。罰則の内容によっては反則金や罰金だけで済まず、将来の免許更新や日常生活にも影響が出る可能性があります。
また、遠方の警察署へ出頭するための交通費は大きな出費となるでしょう。確答はできませんが、遠隔地に住んでいることを理由に、出頭先の変更に応じてもらえるケースがあるかもしれません。通知をそのまま受け入れる前に、まずは記載された連絡先に事情を説明し、相談してみることが現実的な対処につながるでしょう。
出典
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
警視庁 交通違反の点数一覧表
e-Gov法令検索 道路交通法
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士