風邪をひいたのでスマホを使って「オンライン診療」を利用します。「対面での受診」と比べて、診察料は高くなりますか?
配信日: 2025.05.31

この記事では、風邪をひいたときの診察を想定し、オンラインと対面診療でどのくらい費用に差があるのかを分かりやすく比べてみます。

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オンライン受診と対面診療の診察料はどう違う?
2024年の診療報酬改定により、情報通信機器を用いたオンライン診療の初診料は253点、対面診療の初診料は291点となりました。
1点=10円換算なので、全額自己負担の場合、オンライン初診は2530円、対面初診は2910円です。健康保険3割負担の場合、オンライン初診は約759円、対面初診は約873円となります。
再診料はオンライン・対面ともに75点(750円)のため、3割負担なら225円となります。一見、オンライン診療のほうが初診料は安く見えますが、医療機関によってはシステム利用料や薬の配送料が別途かかる場合もあるため、「トータルでいくらかかるのか」を確認することが大切です。
図1
診察方法 | 初診料(点数) | 3割負担 | 再診料(点数) | 3割負担 |
---|---|---|---|---|
オンライン | 253点 | 約759円 | 75点 | 225円 |
対面 | 291点 | 約873円 | 75点 | 225円 |
※筆者作成 2025年5月現在
実際の負担額は加算や時間帯、医療機関ごとの加算などで変動します。あくまでも一例として参考にしてみてください。
風邪で受診した場合の総額はいくら?実際の事例で比較
風邪症状でオンライン診療を利用する場合、問診をもとに診断し、必要に応じて解熱剤や咳止めなどの薬が処方されるケースが多いでしょう。
一例として、初診料(3割負担)に、システム利用料や薬代、配送費(薬を自宅配送する場合)を加えると、2000~2500円程度となる場合が多いようです。
一方で、実際に病院に行き対面診療した場合、風邪の症状によっては「コロナ・インフルエンザ同時抗原検査」を行う医療機関もあります。この場合、検査費用が大きな割合を占めるでしょう。
例えば、初診料(3割負担)、コロナ・インフル同時抗原検査(3割負担)、処方料・薬代合わせて、2400~5000円程度となるケースが多いようです。ただし、検査内容や薬の種類にもよります。
オンライン診療は物理的な検査や処置を行わない分、費用が抑えられる傾向にあります。対面診療は、検査を実施する場合、検査費用が上乗せされる分、総額が高くなりやすいといえるでしょう。
オンライン診療のメリット・デメリットと注意点
続いて、オンライン診療のメリット・デメリットと注意点を確認していきましょう。
まずは、メリットを挙げてみましょう。
・通院不要で自宅から受診できる
・他の患者との感染リスクを減らせる
デメリットについては以下が考えられるでしょう。
・システム利用料や薬配送費が別途かかるケースもある
・検査や処置が必要な場合は対面受診が必須となる
・医療機関によって加算や対応範囲が異なる
また、2024年改定でオンライン診療の初診要件が緩和され、より利用しやすくなりましたが、医療機関ごとに対応内容や費用が異なるため、事前確認が重要でしょう。
オンライン診療と対面診療の費用差は
オンライン診療の診察料は対面よりやや安く、再診料はほぼ同額です。ただし、システム利用料や薬配送費の有無で総額が変わるため、「総額」を見て比較することが大切です。
風邪などの場合、オンライン診療は手軽さとコストのバランスがよいといえます。上手に活用すれば家計にもやさしい選択肢となるでしょう。
出典
厚生労働省保険局医療課 令和6年度診療報酬改定【全体概要版】
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー