会社から支給された「ノートパソコン」の画面を破損してしまいました…「修理代3万」と言われたのですが、「給与」から差し引かれるのでしょうか?
配信日: 2025.05.28

本記事では、会社支給のパソコンを破損してしまった際に発生する修理費用の扱いや対応例、トラブルを未然に防ぐための対策をまとめました。

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会社が支給するノートパソコンの修理費用は誰が負担する?
会社から支給されたノートパソコンが、業務中に通常の使用範囲で故障した場合、原則、修理費用を従業員が負担する必要はないとされることが多いようです。
これは、会社が業務遂行のために必要な物品を支給している以上、通常の使い方で発生した故障や劣化は会社側が責任を負うと考えられているためです。
一方、明らかな不注意や過失(例:机の端に置いて落下させた、飲み物をこぼしたなど)による破損の場合は、会社から修理費用の一部または全額を請求されるケースもあるでしょう。
ただしそのような場合でも、企業が従業員の同意なく修理費用を給与から一方的に差し引くことは一般的には少ないと考えられます。その理由は、労働基準法第24条で賃金は「全額を直接労働者に支払わなければならない」と定められており、同意のない控除は違法となる可能性が高いためです。
なお企業によっては、パソコンなど会社支給物品の取り扱いについて、就業規則や誓約書でルールを定めていることもあるでしょう。例えば「故意または重大な過失による破損の場合、修理費用を本人が負担する」といった規定があり、従業員がこれに署名している場合には、会社から損害賠償を求められるケースもあります。
会社から支給されたパソコンを破損した場合、どう対応するべき?
会社から支給されたパソコンを破損してしまった場合は、以下のように対応しましょう。
●速やかに上司やIT担当者などに報告し、破損状況や原因を正確に伝える
●修理や今後の対応について指示を仰ぐ
●就業規則や誓約書の内容を確認する
●修理費用の負担について、会社と協議する
会社支給のパソコンを破損した場合、報告が遅れるとトラブルが拡大するおそれがあるため、まずは上司やIT担当者へ速やかに知らせることが大切です。
修理については、会社が指定する修理業者やメーカーに依頼するケースが一般的です。会社の指示に従って対応し、業務に支障が出る場合は代替機の手配を相談することも検討してください。
また、就業規則や備品の管理規定、誓約書に破損時の対応や費用負担についての定めがあるか確認し、必要に応じて企業側と協議しましょう。
こうしたトラブルを防ぐためには、日頃からパソコンを丁寧に扱い、落下や衝撃を避けることが大前提といえます。万が一の事態に備え、取り扱いルールや修理費用負担の規定、会社が加入している保険・保証サービスの内容を事前に把握しておくと安心です。
まとめ
パソコンの破損が「通常使用によるもの」か「重大な過失によるもの」かによって、修理費用の負担は大きく異なるといえます。経年劣化や不可抗力による故障であれば、会社負担となることが一般的ですが、明らかな不注意や過失による破損の場合は、会社から修理費用の一部または全額を請求されるケースもあるでしょう。
会社から支給されたパソコンを破損した場合には、迅速な報告と適切な対応が必要です。トラブルを避けるためにも、日頃からパソコンの取り扱いに注意を払い、会社の規定や法律を理解し、バックアップなどの準備を怠らないようにしましょう。
出典
厚生労働省 労働基準法第24条(賃金の支払)について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー