【平屋 vs 2階建て】平屋を建てたいけど、住宅メーカーに「2階建てのほうが安い」と言われた! 友人は「平屋だから安かった」とのことだけど、その“差”はいったいナゼ!? 理由を解説
配信日: 2025.05.28

住宅の建設を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

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建物だけなら平屋のほうが安い
結論から記すと、建物だけの金額なら平屋のほうが安くなります。例えば、とある住宅メーカーで延床面積30坪程度の注文住宅を建設した場合の金額の比較は、以下のとおりです(間取りはほぼ同等)。
・平屋(3LDK):1870万円
・2階建て(3LDK):1940万円
この価格差は、2階建ての住宅には階段や2階の廊下部分もあるためです。2階建ての場合、階段や2階部分の構造を作るための資材や施工コストがかかりますが、平屋はそれらが必要ありません。
また、間取りにもよりますが、施工がシンプルな分、工期が短く済むため人件費をはじめとするコストも2階建てより安く抑えられます。
ポイントとなるのは土地
では、なぜ平屋のほうが高いといわれることがあるのでしょうか。実は、平屋が2階建てより高くなるかどうかは、土地所有の有無によって異なります。
もともと土地を所有している人は、建物の金額だけで支払いが完了します。しかし、土地を所有していない人は、建物だけでなく土地も購入しなければなりません。
平屋は建ぺい率の制約があるため、2階建てより広い土地が必要です。このため、土地の購入から始める場合、最終的な費用は平屋のほうが高くなりやすいといえるでしょう。
例えば、坪単価が30万円程度と仮定した場合、延床面積が30坪程度の平屋と2階建て(どちらも3LDK)、それぞれの必要な土地の広さと金額の例は以下のとおりです。
・平屋(3LDK):70坪(2100万円)
・2階建て(3LDK):50坪(1500万円)
平屋を建設するメリット
場合によっては2階建てよりも費用がかかってしまう平屋ですが、平屋にはさまざまなメリットがあります。
生活動線がシンプル
平屋の代表的なメリットとして、生活動線のシンプルさがあげられます。生活動線とは、人が家のなかで日常生活を送る際に通過する、移動経路のことです。
生活動線は生活の質に直結する重要な要素であり、生活動線に問題があると、快適な日常生活が送れません。
平屋は、1階に浴室やトイレをはじめ生活に必要な設備が全てそろっています。そのため、無駄な動きや時間を省いた、理想の動線を実現しやすいといえるでしょう。
老後が過ごしやすい
老後が過ごしやすい点も、平屋のメリットです。総務省が公開した情報によると、2023年における65歳以上の不慮の事故を死因別に見ると、最も多かったのは「転倒・転落・墜落」でした。
平屋は階段がないことをはじめ、高齢者にとって暮らしやすい住宅です。段差をなくす、手すりを取り付けるなどのバリアフリー対応をすれば、より安心して過ごせるようになるでしょう。
土地の有無によって平屋のほうが安くなる
間取りや設備にもよりますが、注文住宅を建設する場合、建物本体だけの金額なら2階建てより平屋のほうが安いといえるでしょう。しかし、土地から購入する場合、平屋を建設するためには2階建てより広い土地を用意しなければなりません。
今回のケースでは、友人は最初から土地を所有していたため、安く平屋を建設できたと考えられます。
出典
厚生労働省 人口動態調査 人口動態統計 確定数 死亡
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー