初任給の手取りが「20万円」、「10万円の家賃」はキツいことが判明…!例えば「渋谷」から「吉祥寺」に引っ越すと、どの程度家賃を抑えられますか?
配信日: 2025.05.27

本記事では東京労働局が調査した学卒者の求人初任給の平均と、「渋谷」など東京23区内から「吉祥寺」など東京都下に引っ越した場合どの程度家賃を抑えられるかについて紹介します。

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目次
新規大卒者の求人初任給は「21万6500円」
表1は、東京労働局が実施した「令和6年3月新規学校卒業者の求人初任給調査」の結果を基に、学卒者求人初任給を学歴別、年度別にまとめたものです。
表1
令和6年 | 平成31年 | 平成26年 | |
---|---|---|---|
大学卒 | 21万6500円 | 20万8000円 | 20万3000円 |
短大卒 | 20万2400円 | 19万4000円 | 18万8000円 |
専修学校卒 | 20万1000円 | 19万3400円 | 18万6400円 |
高校卒 | 18万9200円 | 17万5000円 | 16万7000円 |
出典:厚生労働省 東京労働局「学卒者の初任賃金 令和6年3月新規学校卒業者の求人初任給調査結果」を基に筆者作成
令和6年における大卒者の求人初任給は「21万6500円」です。年度によってばらつきがあるものの、ここ30年ほどは学歴を問わず上昇傾向にあります。少子化による人材獲得競争の激化を考慮すると、今後も初任給の引き上げは継続することが予想されます。
ただし、初任給はあくまでも額面の金額です。家賃の相場と比較する際には税金や社会保険料を引いた手取りも考慮が必要です。手取り金額は一般的に、額面の75~85%程度であるといわれています。仮に「21万6500円」という金額から算出した場合、手取りの目安は16万2000円~18万4000円ほどとなります。
「東京23区」から「東京都下」に引っ越すと「1万3000円~3万9000円」程度家賃を抑えられる可能性も
家賃はその土地の地価にも影響を受けるため、引っ越しで家賃を削減できる場合があります。表2は、アットホーム株式会社の「全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向(2025年3月)」を基に、東京23区内と東京都下の家賃平均を建物別にまとめたものです。
表2
30平方メートル以下(シングル向き)アパート | 30平方メートル以下(シングル向き)マンション | |
---|---|---|
東京23区 | 6万7126円 | 9万9083円 |
東京都下 | 5万3849円 | 5万9819円 |
出典:アットホーム株式会社「全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向(2025年3月)」を基に筆者作成
なお、基準になっている30平方メートルとは、一般的に一人暮らし向けとされる部屋の延べ床面積です。東京23区内である「渋谷」から、23区外・東京都下の武蔵野市「吉祥寺」に引っ越した場合、家賃を1万3000円~3万9000円ほど抑えることができる可能性があります。
家賃は「手取りの3分の1」がひとつの目安
一般的に「家賃は手取りの3分の1」がひとつの目安といわれています。手取りが20万円の場合、東京都下・単身者向けマンションの平均家賃が6万円程度ということを考えると、目安としてはおおむね適した数値といえそうです。
しかし、一人暮らしにおいて家賃の他に不可欠な出費の例として、食費・水道光熱費・交通費・通信費などがあるほか、交際費・趣味費・被服費なども挙げられるでしょう。
また、スキルアップのための学習費や自動車を購入した場合にかかる費用、病気やけがの際の医療費、将来の貯蓄費なども考慮が必要です。3分の1はあくまで目安として、これらを手取りから差し引いて、勤務地や生活水準に適した住居を選びましょう。
まとめ
初任給が手取り「20万円」の場合、「10万円の家賃」は、家賃の相場とされる「手取りの3分の1」と比較するとかなり大きい金額であるといえます。
しかし、引っ越しを行うことで家賃は削減できる場合があり、平均家賃を参考にすると、東京23区内である「渋谷」から、23区外・東京都下の武蔵野市「吉祥寺」に引っ越した場合、家賃を1万3000円~3万9000円ほど抑えることができる可能性があります。
出典
厚生労働省 東京労働局 学卒者の初任賃金 令和6年3月新規学校卒業者の求人初任給調査結果 II.調査結果 1.学歴別求人初任給(8ページ)
アットホーム株式会社 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向(2025年3月)(3~4ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー