年末に子どもが生まれる予定です。教育熱心な義母は「有名大学の附属幼稚園」を勧めるのですが、「すべて私立」に行かせた場合いくらくらいの「教育費」が必要ですか?
配信日: 2025.05.27

そこで本記事では、幼稚園から大学まですべて私立に通った場合の教育費と、追加でかかる可能性のある教育費の見込みについて解説します。また、教育費を用意する時期や金額の目安も紹介します。

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
目次
「すべて私立」に行くと「1800万円以上」の学費がかかる可能性
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査 結果の概要」によると、幼稚園~高等学校まですべて私立の場合にかかる教育費(学校教育費+学校給食費)は以下の通りです。
●幼稚園(私立):18万9803円×3年=56万9409円
●小学校(私立):110万7684円×6年=664万6104円
●中学校(私立):113万7378円×3年=341万2134円
●高等学校(全日制)(私立):76万6490円×3年=229万9470円
さらに、文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果」を基に、私立大学でかかる教育費を以下の通りに算出します。
・私立大学:入学料24万806円+(授業料95万9205円+施設設備費16万5271円+実験実習料2万8864円+その他8万3194円)×4年=518万6942円
以上より、幼稚園から大学まですべて私立に通った場合、教育費は概算で1811万4059円ほどかかることになります。
教育にかかる費用は「授業料」だけではない! 追加で必要な教育費とは?
文部科学省の資料を基に算出した幼稚園~高等学校までの教育費は、あくまでも「学校教育費+学校給食費」の金額であり、学習費総額ではありません。学習費総額を算出するためには「学校外活動費」を追加する必要があるため、ここでは同じく文部科学省「令和5年度子供の学習費調査 結果の概要」より、その内訳と金額を解説します。
●補助学習費:家庭内学習費(物品費、図書費)、家庭教師費等、学習塾費、その他
●その他の学校外活動費:体験活動・地域活動、芸術文化活動(月謝等、その他)、スポーツ・レクリエーション活動(月謝等、その他)、教養・その他(月謝等、図書費、その他)
●幼稚園(私立):15万7535円×3年=47万2605円
●小学校(私立):72万428円×6年=432万2568円
●中学校(私立):42万2981円×3年=126万8943円
●高等学校(全日制)(私立):26万3793円×3年=79万1379円
以上より、高等学校までの学校外活動費は、計685万5495円です。先ほどの1811万4059円と合わせて、2500万円程度がかかる計算となりました。
子どもの「教育費」はいつまでにいくら貯めれば大丈夫?
とはいえ「およそ2500万円」もの金額を事前に用意するのは簡単ではなく、また教育資金は進学に合わせて順次出ていくお金ですので、必ずしも一括で貯める必要はありません。
目安としては、入学金などで最も多額のお金がかかる可能性がある「大学進学」のタイミングまでに、大学卒業までにかかる「500万円程度」が準備できていれば安心できる範囲かもしれません。
まとめ
幼稚園から大学まで、すべて私立に通わせる場合の教育費は1800万円を超えると予想され、これに加えて、学校外活動費が約690万円かかる可能性があります。しかし、全額を一度に用意する必要はなく、大学進学までに500万円程度貯蓄するのがひとつの目安です。
まずは、早い段階から子どもの将来に向けた貯蓄を始め、必要に応じて児童手当や教育ローンの活用も選択肢に入れ、無理のない計画を立てましょう。
出典
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 2 調査結果の概要 1 学習費総額 表1 学校種別学習費総額の推移(1ページ)
文部科学省 子供の学習費調査 用語の解説(項目別定義)
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について 1.私立大学(学部)・短期大学・私立高等専門学校
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー