公立大学に進学させる家庭は、平均年収「700万円」超!? わが家は世帯年収「400万円」ですが、息子が進学するなら“奨学金”は必須でしょうか? 学費もあわせてシミュレーション
配信日: 2025.05.25

本記事では、公立大学に通う場合の一般的な世帯年収に触れたうえで、世帯年収400万円の世帯が奨学金を借りなければならないのかどうか解説します。

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目次
公立大学に子どもを通わせている世帯の平均年収
世帯年収は家庭によってさまざまですが、公立大学に通わせている家庭の平均年収はいくらくらいなのでしょうか?
独立行政法人日本学生支援機構の「令和4年度学生生活調査結果」によると、子どもが公立大学に通っている親の平均年収は、国立や私立大学の場合よりも低いものの、714万円となっています。
この金額は平均ではありますが、本記事のように世帯年収が400万円となると、公立大学に子どもが通う家庭の中では低めの年収だといえるでしょう。
世帯年収400万円の家庭の収支
世帯年収400万円の家庭の場合、手取りが8割だとするとおおよそ300万円ちょっととなります。総務省の2024年家庭調査によると、年収400万~450万円の2人以上の世帯の、平均的な毎月の消費支出は約26万円であり、年間にすると約312万円です。
この金額はあくまでも平均です。例えば、住居費は約1万8000円と持ち家前提です。都心で賃貸の場合などは、さらに支出が増える可能性が高いでしょう。
そのため、月々の生活費を節約したとしても、世帯年収400万円で3人家族の場合、大きな余裕はない場合が多いといえます。
公立大学の学費はいくらくらい?
世帯年収400万円で3人家族の場合、毎月の収支で余裕がない可能性が高いですが、子どもが公立大学に通う場合は、これに加えて学費がかかります。
公立大学の学費は、大学や学部によって異なります。多くの場合は、国立大学の標準額に近く、文部科学省の「2024年度 学生納付金調査結果(大学昼間部)」によると、平均額は入学金が約23万円(地域内の場合)、授業料が約54万円(年間)です。
そのため、入学金と4年分の授業料の合計は次の通りです。
約23万円+約54万円×4年=約239万円
世帯年収400万円で公立大学に通う場合、家計内での対応は簡単ではない
世帯年収400万円の場合、毎月の収支でもそこまで余裕がないと考えられます。
一般的に公立大学は私立大学よりも授業料などが安いとはいえ、学費として4年間で約239万円、年間にすると約60万円かかります。さらに、大学在籍時には、教材費や交通費、一人暮らしの場合には居住費や生活費も加わります。
これらを考慮すると、世帯年収400万円で子どもが公立大学に通う場合、家庭内の資金では賄いきれず、奨学金やそのほかの支援が必要となる可能性が高いでしょう。
もし奨学金などに頼らない場合は、できるだけ早めに余剰資金を確保することが大切です。
まとめ
公立大学に子どもを通わせている世帯の平均年収が700万円を超えている中で、世帯年収400万円の家庭では進学費用を全て自己負担するのはかなり厳しい状況です。
しかし、奨学金などをうまく活用すれば、進学を支援する手段も増えてきます。大切なのは、早期に情報収集を行い、進学に向けた資金計画を立てることです。また、学費だけでなく生活費の面でも工夫が必要です。
子どもが大学に進学する際には、家計に優しい方法を選択し、進学後の生活設計も含めて計画的に進めていきましょう。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査結果
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2024年
文部科学省 2024年度 学生納付金調査結果(大学昼間部)
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー