小学生の子ども3人を「大学」まで進学させたい! 1人当たり「400万円」貯めれば足りますか? 授業料減免の改正もあるなら、実際はそんなに必要ないでしょうか?“多子世帯向けの支援制度”とあわせて解説

配信日: 2025.05.25

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小学生の子ども3人を「大学」まで進学させたい! 1人当たり「400万円」貯めれば足りますか? 授業料減免の改正もあるなら、実際はそんなに必要ないでしょうか?“多子世帯向けの支援制度”とあわせて解説
「子ども3人分、大学までの学費をどうやって用意しよう……」
 
そんな不安を抱えている家庭もあるのではないでしょうか。大学にかかる費用は入学金や授業料、通学費、教材費などさまざまで、まとまったお金が必要になります。
 
漠然と、1人あたり年間100万円を目安に大学4年間分の400万円を貯めようと思っていても、子どもが3人いる場合は1200万円になります。そのため、現実的に厳しいと感じる人も少なくないのではないでしょうか。
 
しかし、近年では高校無償化の拡充や大学授業料減免制度の見直しが進められており、教育費の負担軽減が期待されています。
 
本記事では、最新の子育て支援制度の内容を基に、実際にいくら準備しておけば安心なのかを分かりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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大学の費用はいくらかかる?

大学にかかる費用は、進学する大学の種類(国公立、私立)や学部、生活スタイルによって大きく異なります。ここでは、授業料を中心とした大まかな目安を紹介します。
 

【国公立大学】(東京大学の場合)

1年目の学費(入学金含む):約93万円
2年目以降の学費:約64万円
 
4年間の学費総額:約285万円
 

【私立大学】

(1)文系学部(早稲田大学法学部の場合)
1年目の学費(入学金20万円含む):約125万円
2年目以降の学費:約124万円
 
4年間の学費総額:約497万円
※早稲田大学の場合、1年目から4年目まで入学金を含めた学費はおおむね平準化されています。大学によっては、入学金の分、1年目の学費が2年目以降と比べて高くなる可能性があります。
 
(2)理系学部(早稲田大学基幹理工学部の場合)
1年目の学費(入学金含む):約184万円
2年目以降の学費:約178万円
 
4年間の学費総額:約718万円
※早稲田大学の場合、1年目から4年目まで入学金を含めた学費はおおむね平準化されています。大学によっては、入学金の分、1年目の学費が2年目以降と比べて高くなる可能性があります。
 

【私立大学・医学部の場合】

医学部は、4年制ではなく6年間の課程を修了する必要があります。例えば、慶應義塾大学医学部の学費の場合は以下の通りです。
 
1年目の学費(入学金やその他経費含む):約394万円
2年目以降の学費:約374万円
 
6年間の学費総額:約2264万円
 
進む学校の種類や学部によって、学費に大きな差があることが分かります。
 

大学の授業料は今後どうなる?

日本の大学授業料を巡っては、授業料の値上げと無償化に向けた支援政策という、相反する動きが同時に進んでおり、注目が集まっています。2025年4月からは、政府の「こども未来戦略」に基づき、授業料・入学金の減額・免除制度がスタートしました。
 
この制度では、子どもを3人以上扶養する多子世帯を対象に、国が定めた一定額までの学費を軽減する仕組みが導入されています。対象となるのは、要件を満たした大学や短期大学、高等専門学校(4・5年生)、専門学校などです。
 
この制度には所得制限がなく、年収に関係なく利用できる点が特徴です。これにより、これまで支援の対象外だった中間層以上の家庭でも、学費の負担軽減が期待できます。
 
一方、国公立・私立を問わず、授業料の引き上げも進行中です。例えば、東京大学では、2024年度(令和6年度)以前の入学者の授業料は53万5800円ですが、2025年度(令和7年度)以降の入学者は64万2960円と、約10万7000円の値上げが実施されています。
 

いくら貯めておけば安心できる?

2025年にスタートした制度をもとに、私立文系に進学するケースでシミュレーションしてみましょう。
 
私立大学の減免上限額は、入学金が26万円、授業料が70万円です。先ほどの文系学部(早稲田大学法学部の場合)試算では入学金を20万円としていたため、1年目は入学金20万円と授業料70万円を合わせた90万円が減免され、自己負担額は約35万円に抑えられます。
 
2年目以降も授業料70万円が減免されるため、自己負担額は54万円です。4年間の負担合計は約176万円となり、本来かかるはずの約496万円から320万円の軽減となります。
 
これを踏まえると、多子世帯で支援制度を活用できる場合は、1人あたり200万円程度を目安に備えておくと安心できるのではないでしょうか。
 

まとめ

授業料の減免制度は拡充の方向にありますが、多子世帯であっても全ての子どもが対象になるとは限らず、さらに制度内容が変更される可能性もあります。今後の動向に注目しつつも、子どもの将来の選択肢を広げるためには、やはり一定の教育費は備えておくことが安心につながります。
 

出典

東京大学 入学料・授業料
早稲田大学 2025(令和7)年度 学部入学金・学費・諸会費
慶應義塾大学 2025年度大学学部学費
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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