新卒です。会社の定期を「遊びに行く時」に使ってはいけないと聞きましたが、本当ですか?不正受給になるケースとは

配信日: 2025.05.25

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新卒です。会社の定期を「遊びに行く時」に使ってはいけないと聞きましたが、本当ですか?不正受給になるケースとは
新卒で初めて定期券を会社から支給されたとき、「休日に遊びに行くときにこの定期券を使っていいの?」と疑問に思ったことはありませんか? 通勤以外の利用がルール違反になるのではないかと心配する方もいるでしょう。
 
この記事では、定期券の私的利用がどのように扱われるのか、法的な観点や注意点を含めて、詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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定期券は通勤に必要な費用の補助として支給されている

会社が支給する定期券は、通勤に必要な費用の補助という目的があります。法的には通勤手当の支給義務はなく、企業が独自に制度を設けているため、その支給方法もさまざまです。
 
主に、定期券そのものを現物で渡すケースと、定期券代相当額を給与と一緒に現金で支給するケースに分かれます。
 
支給された定期券は給与と同じ扱いになるため、使い方に明確な法律上の制限はないのが実情です。したがって、通勤区間内であれば休日に使ったとしても会社に追加のコストはかからず、会社側に損害が発生しない以上、原則として「違法ではない」とされる可能性が高いでしょう。
 

鉄道会社側の利用制限はない

鉄道会社が発行する通勤定期券も「通勤用」と記載があっても、利用を通勤に限定しているわけではありません。したがって、プライベート利用を理由に、鉄道会社側から制限されることもないといえます。
 

休日に通勤定期券を使っても違法ではない

法律的には「休日に通勤定期を使うこと」自体に違法性はありません。例えば、通勤定期の区間内にある友人の家に遊びに行くといったケースでは、会社にとってコストの増加はなく、実害がないためルール違反とはされないのです。
 

通勤災害に注意

通勤時の寄り道は、通勤災害に注意が必要です。通勤中の事故も労災にあたり、負傷や疾病、傷害または死亡したときには労災保険の給付金を受け取れます。
 
ただし、通勤の行き帰りで寄り道をすると、それ以降の移動は通勤にはあたらないでしょう。


●同僚と居酒屋へ行った
●趣味・娯楽のため買い物に行った
●英会話などの習い事に行った(公共職業開発施設での職業訓練は除く)

このような寄り道を行ったときは、たとえもとの通勤経路に戻ったあとで事故が発生しても、労災認定を受けられない可能性があるため注意が必要です。一方、日常生活で必要となる以下のような寄り道は、最小限のものであれば、通勤経路に戻ってからのことについては労災が認められます。


●日用品の購入(飲食料品・衣料品・家庭用薬品など)
●職業訓練や教育訓練を受ける
●選挙権の行使やそれに準ずる行為
●病院などで診察・治療を受ける

不正受給になるケース

定期券の私的な利用は合法ですが、明らかに不正とされる利用方法もあります。
 

定期券代だけ受け取り、徒歩や自転車通勤していた

典型的なのが「定期券代だけ受け取り、実際には徒歩や自転車で通勤しているケース」です。
 
通勤手当は給与の一部であり、税務上非課税となる範囲が定められていますが、この非課税扱いは「実際に交通機関を使用している場合」に限られます。交通機関を使っていないのに定期券代を申請して受け取っている場合、虚偽申請にあたり、税務上の問題が生じます。
 

実際と異なるルートで支給を受けた

実際に住んでいる場所と異なる住所で申請し、定期券代を水増しして受け取るのも不正行為です。国税庁では、最も経済的かつ合理的なルートに基づく通勤手当は、一定額まで非課税になると定めています。違反すると、税務調査で指摘される可能性があるため注意してください。
 

出張の交通費を二重請求した

出張時に、業務に必要な区間に私的な移動の区間を含めて全額請求した場合も注意が必要です。
 
例えば、東京から大阪への出張に際し、名古屋に私用で立ち寄り、そのまま精算すると、プライベート部分の交通費まで会社に請求することになります。この場合、出張経費として認められるのは「業務で必要な区間のみ」であり、それ以外は本人負担とするのが原則です。
 

会社ごとのルールと就業規則を確認しよう

通勤定期の私的利用は基本的に違法ではありませんが、会社の規定や精算方法によってはトラブルの原因になります。特に、出張時や交通費申請では定期区間の扱いに注意が必要です。
 
新社会人として、通勤手当の取り扱いといった会社のルールを理解し、正しく申請することが大切です。不明な点があれば、会社の上司や経理担当者へ相談するよう心がけましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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