景気が4ヶ月連続で低下していると聞きました。これって「米関税」が大きく関わっているの…?
配信日: 2025.05.24

本記事では、日本経済が直面している問題を見ていきます。

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日本の景気が4ヶ月連続で低下した背景とは?
2025年5月、内閣府が発表した「景気ウォッチャー調査 令和7年4月調査結果」によると、日本の景気は4ヶ月連続で低下しました。特に、非製造業や住宅関連の景況感の悪化が目立ち、先行きへの不安が高まっています。
この背景には、個人消費の停滞や輸出の減少が挙げられます。内閣府によれば、2025年1~3月期の実質GDPは前期比0.2%減少し、4四半期ぶりのマイナス成長となりました。民間消費は横ばいで、財貨・サービスの輸出は前期比0.6%減少しています。一方、企業の設備投資は増加しましたが、外需の落ち込みをカバーするには至っていません。
米国の関税政策が日本経済に与える影響
2025年4月、米国のトランプ大統領は「相互関税」政策を発表し、米国へのすべての輸入品に対して一律10%の関税を課す方針を示しました。さらに、輸入自動車に対しては、25%の追加関税が適用され、日本の自動車も対象となります。
この関税政策は、今後の輸出産業、特に自動車業界に大きな打撃を与えると予想されています。
米国による10%の追加関税によって、日本のGDPは0.35%下押しされるとの試算もあり、また、株式会社帝国データバンクの予測では、関税率が24%に戻る場合、2025年度の日本の実質GDP成長率は0.5ポイント低下し、日本全体における企業の経常利益は減少に転じるとされています。
米関税の影響下で私たちにできる景気回復の取り組み
このような状況下で、政府は追加の経済対策を検討する必要があるでしょう。例えば、中小企業への支援策や消費税の減税などが考えられます。また、日米間の貿易交渉を通じて、関税の引き下げや撤廃を目指すことも重要と考えられます。
政府や企業だけでなく、私たち一人ひとりも景気回復に向けて行動できることはあります。例えば、地元の製品やサービスを積極的に利用することは、地域経済の活性化に有効です。さらに、海外旅行を控え、国内旅行を選ぶことで、観光業をはじめとする関連産業の支援につながります。
日本経済は現在、内外の要因により厳しい状況にあり、米国の関税政策によって今後も厳しさが増すと見込まれます。しかし、適切な政策と私たちの行動次第で、景気回復への道は切り開けるでしょう。
まとめ
日本の景気が4ヶ月連続で悪化している背景には、個人消費の停滞といった国内要因に加え、米国の関税強化による輸出への影響といった外的要因も大きく関係しています。特に、自動車産業をはじめとする輸出企業への打撃は深刻で、今後の経済成長への下押し圧力が懸念されます。
日本経済は依然として不安定な局面にありますが、内外の課題に柔軟かつ着実に対応することで、回復への糸口を見いだすことは可能でしょう。今後の動向に注目しながら、持続的な経済成長に向けて、私たち一人ひとりができることに取り組む姿勢が求められます。
出典
内閣府 景気ウォッチャー調査 令和7年4月調査結果 I.全国の動向 1.景気の現状判断DI(季節調整値)(6ページ)
内閣府 2025年1~3月期四半期別GDP速報(1次速報値)(1~3、5ページ)
株式会社帝国データバンク トランプ関税が日本経済に与える影響
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー