「キャッシュレス専用」の自動販売機が増えてきている？ 現金は本当に使えないのでしょうか？

近年、キャッシュレス専用の自動販売機が増加しています。特に都市部では、現金が使えない自販機を目にする機会が多くなりました。
 
しかし、すべての自販機が現金非対応というわけではありません。この記事では、キャッシュレス専用自販機の増加背景や現金利用の可否について解説します。

キャッシュレス専用自販機が増えている理由とは？

「キャッシュレス対応」ではなく、「キャッシュレス専用」として現金を完全に排除する動きも出てきています。現金を取り扱う自販機では、以下のようなコストや手間がかかります。

・硬貨・紙幣の回収および補充
・つり銭切れ対策
・現金盗難や機械トラブルへの対応

これらをすべて排除できるキャッシュレス専用機は、維持費や管理工数を削減できる大きなメリットがあるのです。
 
また、株式会社エム・ピー・ソリューションが実施した「飲料自販機における決済利用状況に関するアンケート調査」によれば、設置地域の消費者データや利用率から「キャッシュレス利用が約8割」という実績もあり、「現金対応の必要性は薄れている」という判断が後押しした形です。
 
とはいえ、すべての企業がこのような方針を取っているわけではなく、エリアや利用者層によって方針は異なります。例えば高齢者が多い地域では、現金対応が重視されるケースもまだ多く見られます。
 
つまり、キャッシュレス専用化は“時代の流れ”である一方で、“場所や利用者ニーズに応じた戦略”でもあるのです。
 

現金が使えない自販機はどこに多い？

現金非対応、つまりキャッシュレス専用の自販機は、すでに全国で設置が進んでいますが、特に次のような場所で多く見られます。

・駅や空港など交通機関の周辺
・オフィスビルや大学構内
・病院や商業施設の一部

例えばJR東日本の「acure（アキュア）」では、首都圏を中心に現金非対応の自販機導入が進められていますが、現金対応機も引き続き設置されています。全国的に見ても、まだ多くの自販機が現金にも対応しているため、急に使えなくなるという状況ではありません。
 
とはいえ、今後もキャッシュレス専用の自販機は確実に増えていくと考えられます。
 

キャッシュレス自販機で使える支払い方法と操作の流れ

キャッシュレス専用自販機の増加により、現金が使えないケースが増えています。一方で、地方や観光地などでは、現金対応の自販機も依然として多く存在します。また、キャッシュレス専用自販機では、以下のような決済方法が利用可能です。

・電子マネー
Suica、PASMO、ICOCAなど
 
・QRコード決済
PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAYなど
 
・クレジットカード
Visa、Mastercard、JCBなど（iDやQUICPayなどの非接触型決済が主流です）

これらの決済方法に対応していない場合は、商品を購入できないことがありますので、事前に確認が必要です。
 
ほかにも、自販機で使用できるアプリでの支払いも可能です。日本コカ･コーラ株式会社が提供している「CokeON Wallet」では、購入すると何度でも5円分相当のCokeONポイントが戻ってきたり、チャージすると最大10％相当のCokeONポイントが戻ってきたり、現金で購入するよりもお得に購入できます。
 

現金が使えない自販機への対応策

キャッシュレス専用自販機の増加により、現金が使えないケースが増えています。しかし、すべての自販機が現金非対応というわけではありません。現金しか持っていない場合は、現金対応の自販機を探すか、近くの店舗で購入するなどの対応が必要です。
 
また、キャッシュレス決済の利用を検討することで、利便性やポイント還元などのメリットを享受できます。スマートフォンを活用した決済方法も多くありますので、ぜひ試してみてください。
 

出典

株式会社エム・ピー・ソリューション 「飲料自販機における決済利用状況」に関するアンケート調査（PRTIMES）
日本コカ･コーラ株式会社　CokeON Wallet
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー