4月から子どもが大学生になりました。月に「5万円」の「仕送り」をしていますが、「平均」はどのくらいなのでしょうか?
配信日: 2025.05.20

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大学生への仕送り、全国平均はいくら?
株式会社モデル百貨が仕送り経験のある保護者500人を対象に行った調査によると、大学生への仕送り額の平均は月10万8350円でした。
また、独立行政法人日本学生支援機構の「令和4年度学生生活調査報告」によると、家庭からの仕送りの割合は55.8%で、月額平均は約9万1400円とされています。
調査結果によって若干の差がありますが、一般的に月5万円の仕送りでは、平均的な生活費を賄うにはやや不足する可能性があると考えられます。
大学生の生活費内訳
仕送り額の全国平均だけでなく、生活費の内訳を知ることも重要です。
既出のモデル百貨による調査では、仕送り額の合計の平均は月に10万8350円でしたが、その内訳は生活費が5万6310円、家賃が5万2040円となっています。
また、「令和4年度学生生活調査報告」の学生生活費の支出状況によると、学寮の場合は月額15万3300円、アパート等は17万7000円でした。
そのうち、授業料など学校納付金以外の生活費だけを計算すると、学寮の場合は8万25円、アパート等は9万8142円を毎月支出している状況です。
このデータから、学費を含めた仕送りが月5万円では不足する可能性があるものの、アルバイトなどで不足分を補えば、生活は不可能ではないと考えられます。
仕送りが家計に与える影響は?
仕送り額は家計の収入状況によって大きく変わります。「令和4年度学生生活調査報告」によると、家庭の年間収入額と仕送り額の関係は表1のとおりです。
表1
家庭の年間収入額 | 平均仕送り額 |
---|---|
年間収入が300万円未満 | 約4万1600円 |
年間収入が300~400万円 | 約6万200円 |
全国平均(年間収入853万円) | 約9万1000円 |
※独立行政法人日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査報告」を基に筆者作成
大学生への仕送りは、家計に大きな影響を与える可能性があります。特に複数の子どもがいる場合や、住宅ローンを抱えている場合は、十分な仕送り額を送ることが困難なこともあるでしょう。
そこで、目安となる仕送り額は「家賃と食費分」で決めることをおすすめします。まず、子どもは自炊ができるのか、外食が多いのかなど生活スタイルを考慮しながら、生活費を算出してみてください。
ただし、東京都内など都市圏の大学に通う場合、地方の大学に通う場合よりも家賃が高くなり、必要な仕送り額も高くなる可能性があるため、注意してください。
仕送りの節約方法
仕送りを節約するためには、子どもにアルバイトをしてもらうのも1つの方法です。「令和4年度学生生活調査報告」によると、大学生の83.8%がアルバイトをしており、生活費の一部を賄っています。
また、奨学金を利用することで、仕送り額を減らせる可能性があります。「令和4年度学生生活調査報告」によると、大学学部(昼間部)の学生の平均55%が奨学金を活用しているようなので、日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金や給付型奨学金の利用を検討してみるのもよいでしょう。
また、生活費の多くを占める住居費の見直しも重要です。大学の学生寮は、一般のアパートよりも家賃が安いケースが多いため、学生寮が利用可能かどうかを大学に問い合わせるのも1つの方法です。
そして、日々の生活費を抑える工夫も必要となるでしょう。自炊を習慣化し、まとめ買いや作り置きを活用します。また、友人やルームメイトと食材や日用品を共同購入するのも有効な手段となる可能性があります。
さらに、不要な動画配信サービスやアプリの解約など、サブスクリプションの見直しも促してみましょう。
仕送り額は家庭によって異なる
大学生への仕送り額は、家庭の経済状況や大学の所在地、子どもの生活スタイルによって大きく異なります。全国平均を参考にしつつ、無理のない範囲で仕送り額を設定することが大切です。
また、アルバイトや奨学金、節約方法の活用により、家計の負担を軽減できる可能性があります。子どもとよく話し合い、最適な仕送り額を決めていきましょう。
出典
株式会社モデル百貨 自宅外から通う大学生への仕送りについて保護者500人に調査(PR TIMES)
独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査報告
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー