働くパパママのための「育児給付金」まとめ。出産から時短勤務まで国からどんな支援が受けられる?
配信日: 2025.05.21

今回は、育児のために休業する際、どんな支援サービスを利用できるか見ていきます。

夢実現プランナー
2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
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育児休業等給付
子どもの年齢や養育の状況の要件を満たす場合に、「出生時育児休業給付金」「育児休業給付金」「出生後休業支援給付金」「育児時短就業給付金」があります。
出生時育児休業給付金
子どもが生まれた日から8週間を経過する日の翌日までの期間内には、4週間(28日)以内の期間を定めて、子どもを養育するための出生時育児休業給付金を受けることができます。
期間内であれば、最大10日まで就業することができ、2回に分割して取得することも可能となります。
育児休業給付金
1歳未満の子どもを養育するために休業したとき、収入が減った際の減少分を補てんする形で支給されます。子どもが1歳を迎えたときに、保育園など預けるところがない場合などには、2歳まで延長することができます。
育児休業を開始してから180日目までと180日以降で、給付額が変わります。
180日まで
給付金額=休業開始時賃金日額(※)×支給日数×67%
180日以降
給付金額=休業開始時賃金日額(※)×支給日数×50%
(※)育児休業に入る前の6ヶ月間分の賃金を180で割った金額
出生後休業支援給付金
子どもの出生の一定期間に両親ともに(配偶者が就労していない場合などは本人が)、14日以上の育児休業を取得した場合、出生時育児休業給付金または育児休業給付金と併せて、最長で28日間の給付を受けることができます。
支給額は、「休業開始時賃金日額×休業期間の日数×13%」となります。
育児時短就業給付金
2歳未満の子どもを養育するために、1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業する従業員が対象となり、時短就業によって減少した割合に応じて支給額が決定します。
(1)支給対象月に支払われた賃金額が育児時短就業開始時賃金月額(※1)の90%以下の場合
育児時短就業給付金の支給額=支給対象月に支払われた賃金×10%
(2)支給対象月に支払われた賃金額が育児時短就業開始時賃金月額の90%超~100%未満の場合
育児時短就業給付金の支給額=支給対象月に支払われた賃金×調整後の支給率
(3)支給対象月に支払われた賃金額と(1)または(2)による支給額の合計額が支給限度額(※2)を超える場合
育児時短就業給付金の支給額=支給限度額-支給対象月に支払われた賃金額
(※1)育児時短就業開始前6ヶ月間分の賃金を180で割った金額
(※2)45万9000円(2025年7月31日まで)
子育ての際に助かる助成制度
子どもが小さいときには、病気などへの不安があるでしょう。そのようなときに、育児休業に関する助成制度ではありませんが、子どもが医療機関にかかっても医療費が掛からないか少額で済むように、「子ども医療費助成制度」というものがあります。
この制度は自治体によって内容が異なることがありますが、基本的には18歳到達後最初の3月31日までの子どもが対象の医療行為を受けた場合に、自治体から支援が受けられます。対象年齢や金額などについては、自治体ごとに決められています。
出産したあと、住民票のある自治体の窓口に申請することで、医療証を受け取ることができます。この医療証は、受診時などに健康保険証と一緒に提示します。
そうすることで医療費は無料や一定額で済み、住民票のある都道府県以外で医療機関を受診した場合には、後日、住民票のある自治体に申請を行うことで、現金還付されることになります。
まとめ
子育てと仕事の両立は、多くの家族の課題なのかもしれません。国としても、子育てと仕事の両立ができるように制度を設けています。
母親の育児休業は多いですが、父親育児休業の取得は、こういった政府の取り組みで上がってきたとはいえ、まだ少ない状況です。母親だけに任せるのではなく、夫婦で子どもを一緒に育てる環境を作るためにも、今回紹介した制度を活用していきたいものです。
出典
厚生労働省 令和6年版 厚生労働白書-こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に- 図表1-1-4 育児休業取得率の推移
厚生労働省 育児休業等給付について
厚生労働省 育児休業等給付の内容と支給申請手続
厚生労働省 育児時短就業給付の内容と支給申請手続
目黒区 子ども医療費助成制度とは
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー