「奨学金は借金だから」と、大学費用400万円を「貯金+アルバイト」で用意するというわが子。本当に1円も借りないほうがいいの? メリットを確認
配信日: 2025.05.20

しかし、貸与型の奨学金は、結局のところ借金であり将来的に返還が必要なため、利用しないという人もいます。
本記事では、「奨学金を借りずに手元資金だけでまかなうほうがいいのか」などを解説します。

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手元資金に余裕がないなら奨学金は借りたほうがいい?
確かに、大学費用400万円を、今までに貯めた貯金と、大学生になってからのアルバイト代・仕送りで支払うのは方法の1つです。ただし、手元資金に余裕がない状態が長期的に続くと予想される場合、奨学金を借りることを視野に入れたほうがいいといえます。
貯金額やアルバイト代、仕送り額は一人ひとり異なりますが、学費の支払いによってまとまったお金が手元からなくなることは間違いありません。また、病気やけがなどによってアルバイト代が少なくなるリスクも考えられ、毎月の収入額が減ると生活に影響が発生します。
こうしたリスクも視野に入れて考えると、手元資金が少なくなる事態を避けるために奨学金を借りておいたほうがいいかもしれません。ある程度まとまった金額が手元に残っていれば、問題やトラブルが起きたときでも柔軟に対応可能です。
日本学生支援機構の奨学金では、第一種奨学金は月額2万円~6万4000円、第二種奨学金では2万円~12万円のなかから奨学金の金額を選択できます。具体的に選択できる金額や条件については、日本学生支援機構のホームページで確認してください。
使わなかった奨学金は繰上返還できる
使わずに手元に残った奨学金は、繰上返還ができます。念のため奨学金を借りていた場合、必要がなくなれば一気に返還することが可能です。これは第一種奨学金でも第二種奨学金でも、返還期日の到来していない割賦金を繰り上げられます。
繰上返還は、登録している振替口座からの振替になるため、返還する金額を入金しておきましょう。
また、有利子の第二種奨学金を繰上返還する場合、繰上期間に応じた利息はかからないので、最終的な返還額を少なくできるメリットもあります。返還は、一部繰上返還か、全額繰上返還かを選ぶことが可能です。
繰上返還の申込は、日本学生支援機構のスカラネット・パーソナルからになります。スカラネット・パーソナルが利用できない場合に限って、郵送でも申込ができます。
奨学金以外の方法も視野に入れておく
学費を準備するには、奨学金以外にもさまざまな方法があるので、比較しながらどれが自分の考え方やライフスタイルに合っているかを判断してください。具体的には、教育ローンや学資保険、日本政策金融公庫の利用などが挙げられ、それぞれに違ったメリットや特徴があります。
奨学金には申請できる期間が決まっているため、すぐにでもまとまった資金が必要なときにはニーズに合わないことがあります。
教育ローンでは、短期間でまとまった融資が受けられるケースもあるので、状況によってはつなぎとして教育ローンを使ってから、奨学金の申請時期に申込をする方法も考えられます。
まとめ
子どもが、大学費用をこれまでの貯金・アルバイト代・仕送りで支払うといった際には、万一の病気やけがをする場合のリスクも考えておきましょう。
奨学金は繰上返還などの制度もあるため、念のために借りておいて、必要がなくなったら返還するというのも1つの方法です。
入学する前の想定では大丈夫だと思っていても、何らかの問題やトラブルが発生する可能性を考えて、対策しておくことがおすすめといえます。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 平成30年度以降入学者の貸与月額
独立行政法人日本学生支援機構 第二種奨学金の貸与月額
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー