東京都では「保育園」に落ちる確率はどのくらい？ 東京の認可保育園の「保育料」もあわせて紹介

東京都で子育てをしながら働く家庭にとって、保育園の確保は切実な問題です。「実際のところ、希望の認可保育園に入れる確率はどのくらいなのだろう？」「毎月の保育料は一体いくらかかるのだろう？」こうした疑問や不安を抱える保護者も多いのではないでしょうか。
 
本記事では、東京都の認可保育園における入園の現状と落ちる確率、保育料の仕組みや目安について解説します。

東京都で保育園に落ちる確率は？

東京都内で子育てを考える際、多くの保護者が直面するのが「保活」と呼ばれる保育園探しです。ここでは、実際に保育園に落ちる確率がどれくらいなのかを計算します。
 
東京都によると、令和6年4月1日時点での東京都全体における保育所利用申込者の総数は32万3750人でした。一方で、保育所等への入所を希望しながらも利用できていない待機児童数は361人いました。
 
東京都全体で保育園に落ちる確率は、「待機児童数÷保育所等利用申込者数×100＝待機児童になる確率 (％)」の計算式で求められ、計算すると、以下のようになります。
 
361人÷32万3750人×100＝約0.1115％
 
以上のことから、東京都全体で保育園に落ちる確率は約0.1115％であることが分かりました。つまり、申し込みをした約897人に1人が保育園に落ちた割合に相当します。
 

入園選考を左右する「基準指数・点数」とは

認可保育園の入園選考は自治体が行い、保育をより必要とする家庭が優先されます。多くの自治体では、優先順位を点数で決定しています。その基本となるのが「基準指数」で、これは保護者の就労状況（勤務時間）や健康状態といった家庭の基本的な状況を点数化したものです。
 
一般的に、仕事や介護などに費やす時間が長いほど、点数は高くなる傾向にあります。自治体によっては基準が細かく設定されており、わずかな時間の違いが点数に影響を及ぼすこともあるでしょう。
 
東京都新宿区の場合、就労において一番点数が高いのは「月20日以上かつ160時間以上の就労を常に行っている保護者」です。この基準を満たす保護者1人に対して20点が与えられ、両親がともにフルタイムで働いている世帯では、合計で40点の点数が付与されることになります。
 

保育料の決まり方は？

認可保育園の保育料は、国が定める上限額の範囲内で、各区市町村が独自に設定しています。その金額は全国一律ではなく、お住まいの自治体や世帯の所得状況、そして子どもの年齢や人数などによって大きく異なります。
 
例えば、東京都練馬区の保育料は、家庭の住民税額に基づいて年に2回（4月と9月）見直しがあります。

●4月～8月分の保育料：前年度の住民税額で計算
●9月～翌年3月分の保育料：当年度の住民税額で計算（住民税額は毎年6月に決まる）

保育料を計算する際には、住宅ローン控除や寄附金控除、配当控除といった特定の税額控除は考慮されません。もしこれらの控除が適用されている場合は、控除される前の住民税所得割額を基に保育料が算定されます。
 

東京都の保育料はどのくらい？

東京都の認可保育園の保育料は、具体的にどのくらいかかるのでしょうか。まず大きなポイントとして、「幼児教育・保育の無償化」制度の存在があります。令和元年10月から始まったこの制度により、3歳から5歳児クラスの認可保育園の利用料は、原則無料になりました。
 
一方、東京都目黒区の0～2歳児の場合、所得割額が4万5000円以上6万円未満の世帯の保育料は月額6700円、所得割額が最も高い130万円以上では月額7万7500円となります。
 
公立延長保育料としては、所得割額が4万5000円以上6万円未満の世帯では月額900円、最高階層（所得割額130万以上）の場合は、0～2歳児で8100円、3歳児で3500円、4歳以上児で2800円となっています。
 

安心して子育て・就労するために、保育料無償化制度の内容を知っておこう

東京都全体での保育園に落ちる確率は低いといえるものの、地域や年齢による差が見られます。認可保育園への入園は、主に保護者の就労状況などに基づく点数制で優先順位が決まる仕組みです。
 
保育料は世帯の住民税額に応じて自治体が決定し、年に2回見直されることになっています。国の制度により3歳児クラス以上は原則無料ですが、0歳から2歳児クラスは所得に応じた負担が必要となるでしょう。住宅ローン控除などの税額控除は保育料の算定に影響しない点も留意が必要です。詳細はお住まいの自治体にご確認ください。
 

出典

東京都 都庁総合ホームページ 都内の保育サービスの状況について
新宿区 令和7年版 新宿区 認可保育園等申込みの手引き
練馬区 保育料表
目黒区 認可保育所等の利用者負担額（保育料）
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー