【認識率26%】運転中の友人が「眠くなってきた」と、信号待ちで運転手を交代→実は違反で、反則金「1万2000円」取られるって本当!?“意外とやりがちな交通違反”もあわせて解説
配信日: 2025.05.17

本記事では、この違反の理由や金銭的な影響に加えて、ほかにもやりがちな意外な交通違反について整理してみましょう。
目次
信号で交代すると違反に? その理由と金額とは
信号待ちでの運転手の交代が違反となるのは、「駐停車禁止違反」に該当する可能性があるからです。まず、信号待ちで運転席を離れる行為は駐車または停車行為とみなされてしまいます。
そして、道路交通法第44条では、交差点やその前後5メートル、横断歩道や自転車横断帯の前後5メートルは「駐停車禁止」と定められているため、停車位置によっては運転中の運転手交代が駐停車違反となってしまうのです。
普通車でこの違反が適用されたときの反則金は1万2000円、違反点数は2点です。なお、ソニー損害保険株式会社(ソニー損保)が実施した「2024年 全国カーライフ実態調査」では、この違反を認識している人は全体の26%という結果が出ていますが、「知らなかった」で違反行為が免責されるわけではないことに注意が必要です。
違反するとゴールド免許ではなくなる|その影響は?
こういった何気ない行為でも違反し反則点数が加算されてしまうと、影響は小さくありません。なぜなら、次回の免許更新時にゴールド免許ではなくなってしまうからです。
ゴールド免許を失うことで、免許更新にかかる手数料が上がったり、自動車保険の割引がなくなったりと、金銭的な負担が発生します。
更新手数料が上がる場合がある
ゴールド免許(優良運転者)を持っている人に違反点数が加算されると、次の更新では「一般運転者」として扱われ、講習の手数料が変わってきます。
具体的には、ゴールド免許の実地講習手数料は500円ですが、一般運転者は800円。実地講習を受ける場合は300円の負担増となります。
ただし、2025年3月の制度改定により、講習をオンラインで受ける場合は、優良運転者も一般運転者も手数料は200円で統一されました。オンライン講習を受けるつもりであれば、この差はありません。
一方で、ほかの違反も重なり「違反運転者講習」の対象となった場合は話が変わります。違反運転者講習はオンラインでは受けられず、実地講習のみです。手数料は1400円と高く、ゴールド免許との差は最大1200円にもなります。
保険料が高くなるケースもある
自動車保険では、ゴールド免許を保有している契約者に割引が適用されるケースが一般的です。
割引率は保険会社によって異なりますが、最大で26%の割引が適用されることもあります。年間6000円以上安くなることもあると試算する保険会社もあり、差額は決して小さくありません。
違反によってゴールド免許が失われると、この割引は適用されなくなり、年間を通しての保険料負担が増えることになります。たった1回の違反が、保険料という固定費にまで影響を及ぼすのです。
ほかにもある「やりがち」な違反と反則金
信号待ちでの交代以外にも、普段何気なくやってしまいがちな行為が、実は交通違反に該当することがあります。
例えば、「追越車線(右車線)をずっと走り続ける」行為は通行帯違反にあたる違反行為です。追越車線はあくまで追い越しのための車線であり、走行を終えたら速やかに走行車線に戻る必要があります。この違反で取り締まりを受けたときの反則金は6000円、違反点数は1点です。
また、コンビニに立ち寄る際などにエンジンをかけたまま車を離れる行為は、「停止措置義務違反」に該当します。道路交通法第71条では、車を離れるときにはエンジンを停止し、サイドブレーキをかけるなど、必要な措置を取らなければならないと定められているからです。これに違反した場合は、反則金6000円、違反点数1点となります。
知らなかったでは済まされない、ちょっとした違反が高くつく
赤信号での運転手交代や、エンジンをかけたままの離席、右車線を走り続ける行為などは、どれも日常の中でついやってしまいがちなものです。しかし、これらはいずれも交通違反に該当する行為であり、「知らなかった」では済まされません。
取り締まりを受けると、反則金や点数だけでなく、ゴールド免許の失効による保険料の増加や更新手数料の負担など、金銭的な影響にもつながります。
何気ない行為が高くつくこともあるため、基本的な交通ルールをあらためて確認しておくことが大切です。
出典
ソニー損害保険株式会社 ソニー損保「2024年 全国カーライフ実態調査」
e-Gov法令検索 道路交通法
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
警視庁 交通違反の点数一覧表
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士