2023年には「約1600億円」が「休眠預金」に。移管されたあとは何に使われるの?
配信日: 2025.05.16

そこで今回は、休眠預金が何に使われているのかを紹介します。

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休眠預金とは?
入出金などの取引が10年間ない預金を「休眠預金」というようです。休眠預金の対象になるものとならないものは次の通りです。
・該当するもの:普通預金、通常貯金、定期預貯金、定額貯金、定期預金、当座預金、貯蓄預貯金
・該当しないもの:外貨預貯金、仕組預貯金、財形貯蓄
政府広報オンラインによると、過去には毎年1200億円程度の休眠預金が発生していたこともあったようです。そのため、こうしたお金を社会に役立てようと、2018年1月「民間公益活動を促進するための休眠貯金等に係る資金の活用に関する法律」が施工され、さまざまな社会問題の解決に役立てるための制度が整えられたとされています。
休眠預金になったら引き出しはできるのか?
例え休眠預金になっても、預け先の金融機関で所定の手続きを行えば、引き出すことは可能なようです。加えて、休眠状態になりそうな預金には、事前に金融機関から預金者に通知が送られるとされています。通知などの具体的な流れは次の通りです。
1・9年以上、入出金などの取引がない残高1万円以上の預金に対して、金融機関から登録住所やメールアドレスへ通知を送付。
2・登録住所に住んでいないために通知が届かず、何もしない場合は休眠預金となる(メールアドレスも同様)。
3・金融機関がWebサイトなどで公告を行う。
これらの段階を踏んだ後、入出金などの異動が行われない場合は休眠預金となり、預金保険機構に移管されるようです。
また入出金、残高照会、通帳の記帳や繰り越し、契約内容や登録情報の変更を行った場合は、預金者が今度も預金を利用する意思があるとみなされ休眠預金にはならないとされています。異動に該当する手続きは金融機関ごとに異なる可能性があるため、詳細は取引のある銀行などに直接確認してみましょう。
休眠預金の使い道
休眠預金は、預金保険機構を通じて、社会的課題に取り組む民間団体への支援に使われます。具体的には、青少年支援や生活困窮者支援、地域の活性化などに役立てられるようです。一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)では、助成や出資を希望する団体を公募し、審査会議などを通じて団体の選定をします。
2024年度に選定された支援団体は以下の通りです。なお助成予定額は、ともに2025年3月時点のものになります。
・特定非営利活動法人青少年自立援助センター:助成予定額5150万円
・一般財団法人ちくご川コミュニティ財団:助成予定額4991万1820円
・公益財団法人長野県みらい基金:助成予定額5201万9918円
10年間使われていない休眠預金は社会的課題解決のために使われている
10年以上取引がない預金は休眠状態となり、その後社会的な課題に対応する団体に支援として利用されることになるようです。
休眠預金になる可能性がある場合には、あらかじめ金融機関から登録住所やメールアドレスに連絡がいくとされています。日頃から使わない預金は早めに解約する、または住所やメールアドレスなどの登録情報が変更になったら速やかに手続きを行うよう意識しましょう。
休眠預金になってしまった場合でも、預け先の金融機関で所定の手続きを行えば、引き出すことは可能とされているようです。手続きは金融機関ごとで異なる可能性があるため、詳細を確認したい場合は、取引のある金融機関へ直接問い合わせしてみるとよいでしょう。
出典
預金保険機構 令和5年度中の休眠預金等移管金の納付の状況等について
政府広報オンライン 放置したままの口座はありませんか?10年たつと「休眠預金」に。
一般財団法人日本民間公益活動連携機構 2024年度 活動支援団体公募 採択団体・事業 一覧
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー