ネット銀行なので「登録印」がないのですが、口座引き落とし設定で「届出印」を押す欄があります。何の印鑑を押したらいいのでしょうか?
配信日: 2025.05.14


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ネット銀行には「登録印」がないって本当?
多くのネット銀行では、口座開設時に印鑑の登録を求めていません。これは、オンラインでの手続きを前提としているため、紙の書類や印鑑を使用する機会が少ないためです。
一部の銀行では、登録印が不要な「印鑑レス口座」を提供しており、ATMやインターネットでの取引に対応しています。窓口での本人確認をする際は、印鑑ではなくICキャッシュカードを用いた本人確認を実施しているケースが増えています。印鑑だけでなく、通帳を使用しない点もネット銀行の口座の大きな特徴です。
このようなデジタル化の恩恵により、印鑑管理にかかる手間やコストが省けるほか、通帳再発行手数料といった余計な出費を抑えることができます。長期的にみると、大きな節約効果も得られるでしょう。
口座振替依頼書で「届出印」が必要な理由
クレジットカード会社や公共料金の提供者といった収納企業から送られる口座振替依頼書には、従来の手続きに基づき「届出印」の押印欄が設けられている場合があります。そのため、ネット銀行の利用者は、印鑑を登録していないにもかかわらず、押印を求められる状況に直面して戸惑った経験がある方もいるでしょう。
届出印(銀行印)とは、銀行にあらかじめ届け出た印鑑のことで、口座開設時や重要な手続きを行う際の本人確認の手段として利用されてきました。実際のところ、収納企業のなかには、従来の紙ベースの手続きを継続しているケースが多く、口座振替依頼書に「届出印」の押印を求められることがあります。
届出印が必要とされている理由は、本人確認や手続きの正確性を確保するためとされています。デジタル化が進んだ今でも、収納企業や金融機関の一部では残っている手続きです。
また、口座振替は、支払い忘れを防ぎ、請求遅延による延滞金の発生を回避できるというメリットもあります。例えば、クレジットカードや家賃、携帯料金などの引き落としが滞ると信用情報に傷がつき、将来的なローン審査にも影響する恐れがあります。
ネット銀行利用者はどう対応すればいい?
ネット銀行の口座のような印鑑の届け出自体がなく「届出印」を押すことができない場合でも、さまざまな方法で対応できます。
任意の印鑑で対応する
ネット銀行では、口座振替依頼書などで届出印の押印を求められた場合、認め印などの任意の印鑑で対応するよう案内されることがあります。
例えば、大手メガバンクの三井住友銀行の公式サイトでは、印鑑の代わりにICキャッシュカードで本人確認を実施すること、そして万が一収納企業より届出印欄に押印を求められた場合は、任意の印鑑を押印するように求める旨が案内されているため、印鑑がない方は事前の準備が必要なケースもあると覚えておきましょう。
サインで対応する
銀行によっては、印鑑ではなくサインで口座を開設するケースもあります。例えば、ネット銀行のSBI新生銀行の公式サイトでは、口座開設時にサインで登録した場合は、公共料金などの口座振替依頼書においても、サインが必要であると説明されています。
押印欄(お届け印欄)には、口座開設時に登録したとおりの署名が必要です。口座振替依頼書が複写式の場合は、すべてのページの押印欄に署名をしなければならないこともあるため、どのように対応すべきか確認をしながら手続きを進めましょう。
空欄で対応する
金融機関によっては、印鑑の届出印の箇所を空欄で提出するように求められるケースもあります。例えば、楽天銀行では書類の押印欄が空欄でも手続きは可能としています。ただし、収納企業から押印を求められた場合は認め印を押印して提出するといったように、収納企業のルールに従った手続きが必要です。
「届出印」欄がある場合は慌てずに対応しましょう
ネット銀行を利用していると、口座振替依頼書の届出印欄にどう対応すべきか迷うことがあるでしょう。たとえ届出印がない口座であっても、利用する金融機関や収納企業のルールを確認し、適切に対応すれば問題ありません。慌てず、落ち着いて手続きを進めましょう。
出典
株式会社三井住友銀行 よくあるご質問 書面で口座振替契約を申し込みたいのですが、印鑑レス口座の場合どのようにすれば良いでしょうか。
株式会社SBI新生銀行 よくあるご質問 [口座開設]サインで登録した。公共料金等の口座振替依頼書は印鑑が必要か知りたい。
楽天銀行株式会社 口座振替依頼書に印鑑を押す所がありますが、楽天銀行に印鑑を届けていません。どうすればいいですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー