昔の「給与明細」や「源泉徴収票」が出てきました。個人情報が含まれているのですが普通に「処分」して大丈夫でしょうか?
配信日: 2025.05.13

そのため、気軽に捨てられない方も多いかもしれません。また、捨てた後に明細が必要になれば困ることもあるでしょう。そこで本記事では、給与明細や源泉徴収票の保管期間、安全に処分する方法を見ていきます。

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保管期限を確認する
給与明細や源泉徴収票は、捨ててしまった後に必要となるケースがあります。どのような場面で必要になり、どのくらいの期間保管しておけばよいか解説します。
給与明細の保管期間
給与を受け取る側に給与明細の保管義務はありませんが、5年間は保管しておくことがおすすめです。厚生労働省が定める労働基準法では、未納の賃金があった場合、5年間さかのぼって請求できると定められています。給与明細が残っていれば証拠として役立ち、未納賃金の請求をしやすくなります。
給与明細の提示を求められる場面は、年金や税金の確認、住宅や自動車など各ローンの申請、賃貸契約時などです。給与明細を処分した後に必要となった場合、会社に再発行を依頼できますが、必ずしも再発行してもらえるとはかぎりません。企業により対応が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
源泉徴収票の保管期間
源泉徴収票は法的な保管義務はありませんが、3~5年保管することがおすすめです。自分で確定申告することがある場合には源泉徴収票が必要となりますが、5年間はさかのぼって申告できます。
また、住宅ローンや賃貸物件を契約する際には2~3年分、転職した場合には前職の源泉徴収票の提出を求められることもあります。源泉徴収票を紛失した場合は勤務先に再発行を依頼できますが、再発行には時間がかかる場合があるため、すぐに必要な場合には注意が必要です。
給与明細や源泉徴収票の処分は個人情報が漏れないようにする
給与明細や源泉徴収票を処分する際には、個人情報が漏れないように気をつけなければいけません。給与明細や源泉徴収票には、個人を特定できる情報が多く記載されています。
個人情報が漏れてしまうと詐欺などの迷惑電話がかかってきたり、業者からダイレクトメールが送られてきたりする可能性があります。また、ストーカー行為をされる危険もあるでしょう。このような被害を避けるために、個人情報を漏らさないための処分方法を見てみましょう。
家庭ゴミで個人情報を隠して処分する
家庭ゴミとして処分する方法は、最も手軽にできて費用もあまりかからない方法といえます。ただし、個人情報が漏れる可能性があるため、明細内容が分からないようにしたり、個人情報を読み取れないようにしたりするなど、以下のような工夫をしましょう。
・手で細かくちぎって捨てる
・ペンで塗りつぶす
・個人情報保護スタンプを使用する
・シュレッダーにかける
・ゴミ袋の外から見えないようにする
・ゴミの回収時間ギリギリに出す
細かくちぎったりゴミ袋の外から見えないようにしたりするなど、上記の方法を組み合わせて、十分な対策をとってください。
ゴミ処理施設に持ち込む
ゴミ処理施設への持ち込みは手間がかかりますが、他人の目に触れることなく処分できるため、安全性が確保できます。なお、ゴミ処理施設によって料金や持ち込み時間などが決まっているため、詳しい内容は居住する地域にあるゴミ処理施設に問い合わせてみてください。
書類溶解サービスを利用する
書類溶解サービスとは、特殊な薬品を使って書類を溶かして、内容が分からないように処分してくれるサービスです。
指定された回収箱に処分したい書類を入れて業者に引き取ってもらうだけなので、書類を手でちぎったりシュレッダーにかけたりする手間などが省けます。また、回収された書類は未開封のまま回収箱ごと溶解処理が行われるため、個人情報が漏れる心配はありません。
個人情報は自分で守ろう
給与明細や源泉徴収票には、個人を特定できる内容が多く含まれています。何も対処せずに、そのままゴミ箱へ捨てるのは大変危険です。また収入の証明となる大切な書類であるため、今後必要になることがないかどうかを十分に考えて、安全に処分するようにしましょう。
出典
厚生労働省 未払賃金が請求できる期間などが延長されています
国税庁 確定申告期に多いお問合せ事項Q&A【確定申告・還付申告】
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー