“KUMON”の価格が改定！その背景とは？

2024年12月に学習塾「KUMON」における通信講座の会費が改定されました。この価格改定の背景には、さまざまな要因が影響しています。
 
そこで今回は、なぜ価格改定が必要となったのか、KUMONの価格改定の背景について解説しながら、教育費の値上がりについての調査結果も見ていきましょう。

公文式「通信講座」価格改定の背景

公文式の学習方法には、大きくわけて毎週教室に通う教室学習と、担当者と郵送でプリントをやり取りする通信講座の2つがあります。この2つのうち、通信講座の会費が2024年12月に改定されました。通信講座が2024年12月に改定されたのには、図表1の理由があげられます。
 
図表1

物流環境の変化	教材のお届けにかかる費用が大幅に上昇したことにより、教材を生徒の元へ配送するためのコストが増加
資材費・人件費の高騰	資材費や人件費が上昇により学習教材の制作にかかる費用も増加
コンプライアンス強化	配送方法や教材の取り扱いに関して、物流に関する法令を順守するために配送方法が限定された

株式会社 公文教育研究会 公文式通信学習 「会費改定について」を基に筆者作成
 
このようなさまざまな理由によって、公文式は価格改定を行わざるを得ない状況となり、生徒の学習環境を維持・向上させるために料金が調整されることになったようです。
 

公文式の通信講座の会費について

公文式の通信講座における改定後の会費は図表2の通りです。
 
図表2

教科数	幼児・小学生	中学生	高校生以上
1教科	8250円	9350円	1万450円
2教科	1万6500円	1万8700円	2万900円
3教科	2万4750円	2万8050円	3万1350円

株式会社 公文教育研究会 公文式通信学習 「会費について」を基に筆者作成
 
公文式の通信講座の会費は1教科増えるごとに金額が上がる仕組みです。例えば、小学生で3教科受講する場合にかかる費用は1ヶ月で2万4750円となります。
 

値上がりしても塾に通わせたいと思う保護者はどれくらいいる？

では実際に、値上がりしても塾に通わせたいと考える保護者がどのくらいいるのかを見ていきます。
 
株式会社CyberOwlが全国の小中学生の保護者500人に行った「教育費の値上がり」に関するアンケートによると、習い事費の値上がりを「とても感じる」と回答した人は18.8％です。
 
「感じる」と回答した人は37.6％と、全体の半数以上の保護者が習い事費の値上がりを感じていることが分かりました。値上がりした習い事としては1位塾・学習塾（41.6％）、2位水泳（24.8％）、3位語学教室（英語教室など）およびピアノ（6.2％）と続いています。
 
さらに、値上がりがあっても続けさせたい習い事では、塾・学習塾が39.8％と最も多く「多少の値上げは仕方ない」という声も見受けられます。子どもの学力向上や将来の進学のために、多少の費用負担をいとわないという意識を持っている保護者が多いことが分かりました。
 

公文式「通信講座」の会費値上げには資材費や人件費の高騰など、さまざまな要因が影響している

公文式「通信講座」の会費改定は、資材費や人件費の高騰、配送時におけるコンプライアンスの強化といったさまざまな要因に影響されていることが分かりました。現在、さまざまなものが値上がりしている状況のなかで、習い事にかかる費用にも変化が見られます。
 
株式会社CyberOwlの「教育費の値上がり」に関するアンケートでも、習い事費の値上がりを実感している保護者は半数を超えており、特に塾・学習塾が最も多くあがっていました。
 
その一方で、費用が上がったとしても、学力向上や進学のために通塾を続けさせたいと考える保護者の姿勢もうかがえます。今後教育費が増える可能性もあるため、それぞれの家庭に合った方法で、無理なく工夫することが大切だといえるでしょう。
 

出典

株式会社 公文教育研究会 公文式通信学習 会費改定について
株式会社CyberOwl Ameba塾探し「教育費の値上がり」に関するアンケート
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー