額面の「10倍」になることも!? 印刷がずれている紙幣の買取相場はどれくらい?
配信日: 2025.05.12

今回は、どのような紙幣が「エラー」と判断され、実際にどの程度の価格で取引されているのかを解説します。

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エラー紙幣とは?
「エラー紙幣」とは、印刷や裁断などの工程で何らかのミスが生じたまま市場に流通してしまった紙幣のことをいいます。
紙幣は、国立印刷局で厳しい検査を受けた後に流通しますが、まれに不良品が市場に出てしまうこともあるようです。具体的には、次のような状態の紙幣をエラー紙幣といいます。
・印刷不良:一部のデザインが欠けていたり、片面のみが印刷されているもの
・写り:裏面の絵柄が表に透けて印刷されてしまっているもの
・印刷位置ズレ:デザインや文字の配置が大きくずれているもの
・裁断ミス(耳付き):本来カットされるはずの余白が残っている紙幣
・番号不一致:表と裏で印字されている記号や数字が一致しないもの
・めくれ印刷:紙が部分的にめくれたまま印刷され、インクが載っていない部分があるもの
このような紙幣は日常生活ではほとんど目にすることがなく、希少性が高いといえるでしょう。
エラー紙幣の価値はどれくらい?
エラー紙幣はおもに古銭専門店やインターネットオークションで売買されており、その価格は種類や保存状態によって大きく異なります。表1、表2では、実際に提示された買い取り価格の一例をご紹介します。
【A社(2024年10月8日時点)】
表1
エラー紙幣 | 買い取り価格 |
---|---|
透かし部分のデザインが逆になった 聖徳太子の100円札 |
1500円 |
福耳エラーがついた聖徳太子の100円札 | 3万円 |
印刷ずれで空白のある福沢諭吉の1万円札 | 3万円 |
記号番号違いの守礼門の2000円札 | 16万円 |
※筆者作成
【B社(2025年4月19日時点】
表2
エラー紙幣 | 買い取り価格 |
---|---|
記号違いの守礼門2000円札 | 8万円 |
印刷ずれの福沢諭吉1万円札 | 3万円 |
裏写りがある富士桜50銭札 | 2万4000円 |
※筆者作成
同じ種類の紙幣でも、エラーの程度や紙幣の状態によって値段は変動します。折れや汚れの少ないものほど、高く評価される傾向にあるようです。
エラー紙幣を買い取りに出す際に気を付けるべきポイント
エラー紙幣を売却する際には、信頼できる鑑定士や専門業者に査定を依頼することが重要です。なぜなら、エラー紙幣と見せかけて意図的に加工された偽物も存在するためです。
例えば、故意にお札をこすって印刷を薄く見せたものや、劣化によって変色・変形したものをエラー紙幣と誤認させる場合もあるため、専門家の目での確認が必要です。さらに、買取額アップを目指す場合は、次のような管理を心がけましょう。
・できるだけお札を日光に当てない
・湿気を避ける
・ケースなどに入れて紙幣の状態をきれいに保つ
いくつかの店舗に査定を依頼して、見積額を比較するのも一つの方法です。査定結果に大きな差が出ることもあるため、慎重に業者を選びましょう。
エラー紙幣は種類によっては高額で取引されることがある
エラー紙幣は印刷や裁断ミスによって生まれる紙幣です。通常は国立印刷局の最終検査で取り除かれるため、日常的に目にすることはめずらしいでしょう。そのため、エラー紙幣は種類によってはプレミアが付き、市場では額面の数倍〜数百倍で取引されるケースもあるようです。
エラー紙幣の判定は判断が難しいケースもあります。そのため、エラー紙幣であるかどうかは専門家に鑑定してもらうと安心です。買い取りに出す場合は、信頼できる専門店を選び、保存状態にも十分注意しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー