実家に帰ったら「母の財布に5万円以上」入っていて驚きました。年配の方は現金派とキャッシュレス派のどちらが多いのでしょうか?
配信日: 2025.05.07

本記事では、高齢者が現金を多く持ち歩く理由や背景、世代間の金銭感覚の違い、そしてリスクとその対策について解説します。

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目次
高齢者の支払い手段、現金派とキャッシュレス派の割合は?
近年、キャッシュレス決済の普及が進んでいますが、高齢者の支払い手段にはどのような傾向があるのでしょうか。
ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社が株式会社マクロミルに委託し実施した「キャッシュレス利用実態に関する調査」によると、60代以上のキャッシュレス派の割合は約75%に達しており、高齢者層にもキャッシュレス決済が広がっていることがわかります。
一方で、地域によっては現金派が多い傾向も見られます。同調査では、四国エリアのキャッシュレス派の比率が約66%で、全国平均よりの71%よりも低い結果となっています。
また、株式会社DIGITALIOの「『キャッシュレス決済・インターネット利用』に関する調査」によると、60代以上の約70%が現金を持たずに外出することに抵抗を感じています。キャッシュレス決済を利用しつつも、他の世代より多くの方が現金も持ち歩いていることがわかります。
現金派の理由とキャッシュレス派の増加背景
高齢者が現金を多く持ち歩く理由には、いくつかの背景があります。
・安心感と習慣
現金を「見える形」で持っていることが安心材料となっており、子どもの頃から慣れ親しんだ現金支払いをそのまま続けている。
・デジタル技術への不安
スマートフォンやアプリの操作に不安を感じ、キャッシュレス決済に抵抗がある。
・現金のみ対応の店舗
地域によっては、現金のみ対応の店舗が多く、現金の利用が必須となる。
しかし、近年では高齢者の間でもキャッシュレス決済の利用が増加しています。その背景には、以下のような要因があります。
・ポイント還元や割引
キャッシュレス決済によるポイント還元や割引などの特典が魅力。
・感染症対策
新型コロナウイルスの影響で、非接触型の支払い方法が推奨されるようになった。
・家族のサポート
子どもや孫など、家族からのサポートを受けてキャッシュレス決済を導入するケースが増えている。
高齢者の金銭管理におけるリスクとその備え方
高齢者が現金を多く持ち歩くことには、いくつかのリスクが伴います。
・盗難や紛失
財布を落としたり、盗まれたりするリスクが高まる。
・詐欺被害
高齢者を狙った詐欺が増加しており、オレオレ詐欺では現金の手渡しや振り込みを求められるケースが多く、現金を多く持っていることで被害額が大きくなる可能性がある。
・金額管理が曖昧になるリスク
支出を記録しないことが多く、使途が不明確になったり、思わぬ無駄遣いにつながったりすることもあります。
これらのリスクに対しては、以下のような備えが効果的です。
・必要最低限の現金を持ち歩く
外出時には必要最低限の現金のみを持ち歩くようにする。
・キャッシュレス決済の導入
家族のサポートを受けながら、使いやすいキャッシュレス決済を導入する。
・家族との情報共有
金銭管理について家族と日常的に情報共有し、サポート体制を整える。
高齢者の金銭感覚を理解し、安全な暮らしを支えるには
高齢者が現金を多く持ち歩く背景には、安心感や生活習慣、地域の事情などが関係しています。一方で、キャッシュレス決済の普及により、高齢者の間でも新しい支払い方法が広がりつつあります。
家族としては、高齢者の金銭感覚や習慣を理解しつつ、リスクを最小限に抑えるためのサポートを行うことが重要です。無理にキャッシュレス決済を強制するのではなく、安心して使える環境を整えることで、高齢者の安全な暮らしを支えることができるでしょう。
出典
ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社 キャッシュレス利用実態に関する調査 (PR TIMES)
株式会社DIGITALIO デジコ「キャッシュレス決済・インターネット利用」に関する調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー