多子世帯の我が家、すべて公立に行っても1人「500万円以上」の教育資金がかかるそうです。老後資金の「2000万円」と両立する方法はありますか?

配信日: 2025.05.06

この記事は約 4 分で読めます。
多子世帯の我が家、すべて公立に行っても1人「500万円以上」の教育資金がかかるそうです。老後資金の「2000万円」と両立する方法はありますか?
多子世帯は、子どもの教育資金の捻出と老後に備えた貯蓄の両立が課題でしょう。
 
教育費を安く抑えるために公立の学校に通わせても、1人あたり500万円以上かかるといわれています。さらに、老後に必要だといわれている2000万円も合わせると、準備するのは大変でしょう。
 
本記事では、教育資金や老後資金の相場と、教育資金の捻出と老後に備えた貯蓄を両立する方法について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

すべて公立に行っても「500万円以上」の教育費がかかる可能性

幼稚園から高校まですべて公立、かつ国公立の大学に通わせた場合にかかる費用を見ていきましょう。
 

公立で幼稚園から高校まで通わせた場合の教育費

幼稚園から高校まで公立に通わせた場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」を基に、学校教育費と給食費、その合計と総額を表1にまとめました。
 
表1

学校教育費 学校給食費 合計
幼稚園(3年間) 20万8086円 4万5705円 25万3791円
小学校(6年間) 49万518円 23万430円 72万948円
中学校(3年間) 45万2241円 10万7001円 55万9242円
全日制高校(3年間) 105万4356円 105万4356円
総額 220万5201円 38万3136円 258万8337円

※筆者作成
 
幼稚園から中学校まででは合計約150万円かかり、高校に進学すると追加で約100万円かかることが分かります。加えて、習い事や塾などに通う場合もあるため、さらに費用がかかるでしょう。
 

さらに国公立の大学に通わせた場合の教育費

文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、国立大学の入学料は28万2000円、4年間の授業料は214万3200円なので、合わせると242万5200円です。
 
令和5年度における公立大学の入学料は37万4371円、4年間の授業料は214万4764円で、合わせると251万9135円となります。国公立の大学に通う場合は240万円~250万円程度の費用がかかると考えられます。
 
表1より、公立で幼稚園から高校まで通わせた場合の費用は約260万円なので、大学の費用と合わせると、すべて公立の学校に通わせた場合でも500万円以上はかかるでしょう。
 

老後に必要な資金は「1200万円以上」

総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、1ヶ月の可処分所得22万2462円に対する消費支出が25万6521円であり、3万4058円不足するとのことです。65歳で定年退職して無職となり、年金を主な収入源とする場合、老後30年で1226万880円不足する計算です。
 
2019年には金融庁金融審議会の市場ワーキング・グループが、「高齢社会における資産形成・管理」の報告書で、夫65歳以上妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であるというデータを提示しました。
 
30年で約2000万円が不足するため「老後2000万円問題」が話題になりました。各家庭の経済状況やそれぞれの年金の支給額、ライフスタイルなどによって老後に必要な貯蓄額は変わりますが、1200万円以上の貯蓄は必要になるでしょう。
 

「教育資金」と「老後資金」を両立する方法

教育資金と老後資金を両立するためには、公的な制度や資産運用などを活用することがおすすめです。
 
教育資金については、高等教育の修学支援新制度が拡充され、令和7年度以降には、扶養する子どもが3人以上いる世帯の学生を対象に、大学等の入学金と授業料が国の定めた一定額まで減額・免除されます。
 
現金給付ではなく入学金や授業料が減免される形で、文部科学省によると、私立大学であれば4年間で最大「入学金26万円+授業料70万円×4年」が支援されます。
 
老後資金については、積み立て投資をしつつ、必要な時にはお金を引き出して柔軟に対応できるNISAの利用がおすすめです。老後に的を絞るのであれば、原則60歳まで引き出しができないiDeCoも活用するとよいでしょう。
 

まとめ

多子世帯にとって、教育資金の捻出と老後資金の貯蓄の両立は大きな課題です。学費を支援する制度を活用したり、資産運用をしたりして将来に備えましょう。
 

出典

文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 2 調査結果の概要 1 学習費総額(1ページ)
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について 令和5年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について (参考2)国公私立大学の授業料等の推移
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
金融庁金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」 2.基本的な視点及び考え方(21ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集