「タワーマンションの最上階」に住む友人。「管理費も高い」と聞いたのですが、「タワーマンション」に住める年収の基準などはありますか?
配信日: 2025.05.03

しかし、タワーマンションは管理費が高く、上層になるにつれ需要が高さから販売価格も高く設定されています。無理なくタワーマンションに住める年収の基準はいくらなのでしょうか。
本記事では、タワーマンションの管理費や、実際に住むにはどのくらいの収入が目安になるのか解説します。

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
目次
「タワーマンション(20階建て以上)」の管理費は「月額平均2万4585円」
一般的に、タワーマンションは20階以上の超高層マンションを指すようです。高さ60メートルを超える建物は超高層建築物とされ、マンションにおける20階程度に相当します。
国土交通省が発表した「令和5年度マンション総合調査」によると、単棟型「20階建て以上」の管理費は月額平均2万4585円です。単棟型の月額平均は、1万7214円のため、タワーマンションの管理費は比較的高いといえるでしょう。
タワーマンションに住むためには「世帯年収1000万円以上」がひとつの目安
タワーマンションの購入の際、無理なく返済できるとされる条件として、「借入時に頭金を購入価格の20%程度用意し、月々の返済額が手取り収入の25%を超えない」を満たすことが望ましいとされています。住宅ローンの返済額の目安や、借入時の頭金の金額などから逆算すると、「世帯年収1000万円以上」が一つの目安となるでしょう。
タワーマンションの価格は、安くても5000万円前後になります。住宅ローンを30年で返済すると仮定し、先ほどの条件を加えた場合の必要な年収目安額を表1にまとめました。
表1
購入価格 | 頭金(20%) | 月々の返済額 (手取りの25%) |
手取り年収 | 世帯年収 |
---|---|---|---|---|
5000万円 | 1000万円 | 約14万1000円 | 約677万円 | 約930万円 |
※筆者作成
東京23区のマンションは「坪単価330万円以上」
坪単価とは、建物の床面積1坪(約3.3平方メートル)当たりに建築費がいくらかかっているのかを算出したものです。近年、首都圏1都3県(神奈川県、千葉県、埼玉県)における坪単価が大きく上昇したことをご存じでしょうか。
株式会社マーキュリーが公開した「2023年首都圏駅別平均坪単価」によると、首都圏1都3県(神奈川県、千葉県、埼玉県)でマンション分譲が行われた330駅のうち、166駅で平均坪単価が330万円を超えたそうです。
また、東京23区では全体の約81%もの駅が坪単価330万円以上となりました。一般的な家族層にはなかなか手が出しづらい価格にまで高騰しているといえるでしょう。
このような背景には、ある2つの大規模物件がけん引していると推測されています。一つは、麻布十番駅の「三田ガーデンヒルズ」です。物件平均坪単価が1351万円、平均面積も89.39平方メートル と広く、平均価格は3億6517万円にもなる物件です。
もう一つは、浜松町駅の「ワールドタワーレジデンス」です。平均坪単価が1155万円、平均価格が2億3810万円と三田ガーデンヒルズには及ばないものの、こちらも超高額物件といえるでしょう。
まとめ
タワーマンションは、通常のマンションと比べると管理費が高く、高階層になるにつれ需要が上がるため、住むためにかかる費用は安くはありません。タワーマンションに住みたいと検討している方は、年収1000万円以上を目安として考えるといいでしょう。
出典
国土交通省 令和5年度マンション総合調査(175ページ)
株式会社マーキュリー 【全駅掲載】2023年首都圏駅別平均坪単価
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー