クラス担任に卒業時のプレゼントを用意するため「1人500円」徴収しました。余ったお金が少しであれば「ポケットマネー」にしても問題ないですか?
配信日: 2025.05.03

本記事では、余剰金の取り扱いに関するマナーや注意点について解説します。

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余剰金の処理に関するマナーと注意点
卒業時のプレゼントに関して、クラス全員から集めたお金で購入した後に生じる余剰金の扱いは、慎重に行う必要があります。たとえ少額であっても、適切な処理を怠ると、信頼関係に影響を及ぼす可能性があります。
余剰金の処理において大切なのは、まず事前に決めておくことです。お金を集める段階で、余剰金が出た場合の取り扱いについてクラス全体で話し合い、あらかじめ合意を得ておくのが望ましいでしょう。
また、透明性を確保することも重要です。集めた金額や支出の内容、余剰金の額を明記した収支報告を作成し、クラス全体に共有することで、信頼を築くことができます。
さらに、余剰金の使い道については、特定の個人が利益を得るのではなく、クラス全体にとって公平な方法を選ぶことが求められます。
クラスで集めたお金が余ったとき、どうするのが正解?
プレゼントの金額によっては、購入後にお金が余ることもあるでしょう。では、その余ったお金はどのように扱えばよいのでしょうか。一般的には、以下のような対応が考えられます。
・クラス全員に均等に返金する
・クラス全体のために使用する
・次年度の活動資金として繰り越す
まず考えられるのは、余剰金を全員に均等に返金する方法です。これは透明性や公平性の面で優れていますが、返金時の両替が手間になることがあります。例えば、1520円を40人で分けると、1人あたり38円になります。
この金額を用意するには、10円玉3枚、5円玉1枚、1円玉3枚の計7枚の硬貨が必要です。クラス全員分では280枚の硬貨を準備することになり、非常に手間がかかります。
もう一つの方法として、余ったお金をクラス全体のために使うという選択肢もあります。例えば、お菓子や記念品など、皆で楽しめるものを購入すれば、余剰金を有意義に活用できるでしょう。また、次年度の活動資金として繰り越し、後輩へのプレゼントやイベントの資金に充てるという方法もあります。
余ったお金を個人で使うのは法的に問題ない?
集めたお金の余剰分を個人で使用することは、法律の観点からも問題があるケースがあります。
刑法では、一定の目的で他人から預かったお金を勝手に私的に使う行為は「横領」と見なされる可能性があります。少額であれば罪に問われない可能性はありますが、信頼関係を損なう行為です。
また、本来より多い金額を伝えて余剰分を私的に使った場合は、「詐欺罪」に問われるおそれもあります。
・横領罪(刑法第252条)
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。
・詐欺罪(刑法第246条)
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
学校や教育機関では、公正性と透明性が重視されます。集金や会計に関するルールが明確に定められている場合もあり、これに反する行為は問題視されることがあります。
したがって、学校のルールを守り、少額であっても余剰金を個人で使用することは避け、クラス全体での合意のもと、適切に処理しましょう。
まとめ
集めたお金が余った場合は個人で使わず、クラス全体で話し合って納得のいく使い道を決めることが大切です。記念品や寄せ書きなどに使えば、先生への感謝の気持ちがより伝わります。
お金の取り扱いには透明性を持たせることが大切です。あらかじめ余ったお金の使い方を決めておき、全員が納得できる形で進めてトラブルを防ぎましょう。
出典
e-Gov法令検索 刑法(明治四十年法律第四十五号) 第二編 罪 第三十七章 詐欺及び恐喝の罪 第二百四十六条(詐欺)、第三十八章 横領の罪 第二百五十二条(横領)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー