来年「高校進学」を控えた娘。2025年4月より「高校無償化」が改正されましたが、「入学金」も対象でしょうか?

配信日: 2025.05.02

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来年「高校進学」を控えた娘。2025年4月より「高校無償化」が改正されましたが、「入学金」も対象でしょうか?
子育て世帯を中心に、「高校無償化」が話題になっています。高校の授業料が無償化になることで、「公立高校」と「私立高校」の選択肢が増えるので、思い切って私立高校に通わせようか迷っているご家庭もあるのではないでしょうか。本記事では、高校無償化に関する制度について詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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高校無償化にかかわる「就学支援金制度」の所得制限が廃止に

高校無償化は、正しくは「就学支援金制度」と呼ばれる制度のことをいいます。旧制度では高校生がいる家庭で年収910万円未満の場合、公立・私立を問わず、子ども一人あたり、年間11万8800円が支給されていました。これは公立高校の年間の授業料に相当する額です。
 
そして、私立では、年収590万円未満の場合、年間39万6000円を上限に支援加算されます。これは、私立高校の授業料の全国平均額を踏まえた金額として設定されています。
 
2025年4月より制度が改正され、これらの所得制限が撤廃されました。所得制限が撤廃されることで、公立高校は世帯所得を問わず授業料が無償化されることになります。さらに、私立高校に進学する場合の加算も同じく所得制限がなくなります。
 
加えて、2026年には加算上限額が39万6000円から、45万7000円に引き上げられる方針で最終調整に入っているようです。変更点を表にまとめると次のようになります。
 
表1

旧制度 現行
公立高校に進学の場合 年収910万円未満であれば、
年間11万8800円支給
所得制限撤廃にともない実質無償化
私立高校に進学の場合 年収590万円未満であれば、
年間39万6000円を上限に支給
所得制限を撤廃したうえで
年間45万7000円を上限に支給する方針

※筆者作成
 

無償化されるのは「授業料」のみ! 「入学金」は対象外なので注意

注意しなければならないのは、授業料が実質無償化されても、高校に入学するための入学金や制服代などの諸経費は支払わなければならないことです。私立高校であれば、数十万円単位で必要になるでしょう。
 
また、全国に先駆けて高校無償化をすでに実施している大阪府では、令和6年度の⾼校3年⽣から段階的に適⽤、令和8年度に全学年で授業料を完全無償化が予定されているものの、新制度になっても、学校によっては授業料はいったん自己負担したうえで数ヶ月後に還付される仕組みになるようです。
 
これにならって、他の自治体でもあとから精算する仕組みをとる可能性があるため、ある程度まとまった金額はしっかりと用意しておきましょう。
 

私立高校の初年度納付金は平均「約78万円」

文部科学省「初年度生徒等納付金平均額(年額)の推移」によると、令和6年度の私立高校(全日制)の初年度納付金は78万460円です。授業料や入学金に加え、施設整備費などを合わせると初年度はこれくらいの金額を納めることになります。
 
高校無償化にともない、家計の負担は軽減されますが、教育費の全てが無償化になるわけではありません。世帯所得やご家庭の教育方針に応じて、公立高校にすべきか私立高校にすべきか、よく検討しましょう。
 

まとめ

今回の制度改正にともない、私立進学の選択肢が増えたご家庭も多いのではないでしょうか。習い事や塾代など、学校外の教育費も考慮したうえで、後悔のない進学プランを検討してください。
 

出典

文部科学省 令和6年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について
大阪府
 令和6年度以降に段階実施する授業料支援制度について

 よくある質問について(私立高校生等への授業料支援・令和6年度新制度)Q7
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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