母が「封筒で現金」を送ろうとしていました。現金書留を使わなくてもいいのでしょうか?

配信日: 2025.05.02

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母が「封筒で現金」を送ろうとしていました。現金書留を使わなくてもいいのでしょうか?
母が封筒に現金を入れて送ろうとしていて、「これって大丈夫?」と不安に感じたことはありませんか?
 
実は、現金を普通郵便で送るのは法律違反になることがあります。本記事では、現金書留の必要性や手続き、ほかの安全な送金方法について、わかりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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現金を普通の封筒で送るのは違法?

原則として現金を普通の郵便(定形郵便や定形外郵便)で送ることは、日本の郵便法に違反します。郵便法第17条では、「現金、貴金属、証券などの貴重品は、書留によって送らなければならない」と定められています。
 
つまり、現金を普通の封筒に入れて送った場合、たとえそれが少額であっても、法的には不適切な手段となります。また、郵送中に紛失や盗難が発生した場合、日本郵便はその損害に対して一切の補償を行いません。
 
さらに、郵便局側が郵便物の中身を確認することは基本的にありませんが、明らかに現金と判断された場合、発送を拒否されたり返送されたりすることもあります。
 
家族や親しい人に気持ちを込めて現金を送りたいと思っても、法律違反になってしまっては本末転倒です。大切なお金を確実に、安心して届けるためには、正式な手続きに則った方法を選びましょう。
 

現金書留とは? その必要性と手続き方法

現金を郵送する際に最も安全で、かつ法的にも認められている手段が「現金書留」です。現金書留は、現金の損害賠償責任を明確に保証する日本郵便のサービスで、郵送中の紛失・盗難にも補償がついています。手続きは以下のように行います。
 

1.専用封筒を用意する

郵便局で「現金書留専用封筒」(21円)を購入します。現金を入れやすいように設計されており、所定の位置に封をして割印(もしくは署名)をします。
 

2.窓口での差し出し

封筒に現金を入れ、郵便局の窓口で「現金書留としてお願いします」と伝えます。通常の送料に加え、現金書留の加算料金(1万円までは480円、以後5000円ごとに11円追加)がかかります。
 

3.補償の設定

現金の金額に応じて補償額を設定できます。最大で50万円までの補償が可能です。記載された金額が万が一の際の補償対象になります。
 
このように、現金書留は手間と料金が少しかかる分、大切なお金を安全に相手に届けるための、非常に信頼性の高い手段なのです。
 

現金書留以外の安全な送金方法

「どうしても郵便局に行く時間がない」「相手が遠方に住んでいて、現金以外の方法でもいい」という方には、現金書留以外の手段も検討してみましょう。たとえば、以下のような方法があります。
 

1.銀行振込

最も一般的で安全な方法です。相手の口座番号・金融機関名・支店名がわかれば、スマホやATMから送金できます。手数料は銀行によって異なりますが、最近はネット銀行であれば無料または低額で済む場合があります。
 

2.郵便為替(定額小為替など)

郵便局やゆうちょ銀行で発行される証書を使って、現金を送る代わりとする方法です。
 
相手がその証書を持って郵便局やゆうちょ銀行へ行けば現金に換えられます。現金を直接送らないので、安全性が高く、昔からお祝い金などで使われてきました。
 

3.キャッシュレス手段(プリペイドカードや送金アプリ)

PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAYなど、アプリを使った送金方法も普及しています。相手がアプリを使っていることが前提にはなりますが、スピーディーで手軽な方法です。
 
相手の状況や送る金額に応じて、最も適した手段を選ぶとよいでしょう。
 

安全に現金を送れる方法を選ぼう

「大切な人に心を込めてお金を送る」その気持ちはとても素敵なものです。しかし、送り方を間違えると、せっかくの思いが届かないどころか、トラブルのもとになってしまうこともあります。
 
現金を封筒に入れて普通郵便で送るのは法律違反であり、紛失・盗難のリスクも高くなります。正しく、安全に送るためには「現金書留」を利用するのが基本です。また、銀行振込や郵便為替など、現代では便利な代替手段も豊富にあります。
 
高齢の家族がこうした仕組みを知らずに行動していることも多いので、気づいたときにはやさしく声をかけ、正しい送り方を一緒に確認してあげましょう。
 
送る側も受け取る側も、安心してやり取りができるよう、安全な方法を選ぶことが大切です。
 

出典

日本郵便株式会社 日本郵便局 書留
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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