「ガソリン代が5円安いから」と、10km離れた隣町に給油に行く夫。道中の「ガソリン代」も考えると、結局“損”じゃないの? コスパ・タイパを検証
配信日: 2025.04.27

本記事では、ガソリン代が1リットルあたり「5円」安いため、「10キロメートル」離れた隣町に給油に行く行為が、ガソリン代やタイパの面から得なのか損なのか検証します。

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隣町のガソリンスタンドまで行くと本当にお得?
今回のシミュレーションの条件は次のとおりとします。
・隣町のガソリン価格:1リットルあたり5円安い
・車の燃費:19キロメートル/リットル(ガソリン乗用車の平均)
・隣町までの距離:片道10キロメートル
・給油量:40リットル
・所要時間:往復30分
この条件で、「節約できるガソリン価格」は「5円×40リットル」ですので、200円です。
続いて、移動にかかるガソリン代を考えてみましょう。車の燃費は19キロメートル/リットルですので、往復20キロメートル走ると約1.05リットル消費します。仮にガソリン価格が最新の全国レギュラーガソリン価格の平均の184円/リットルだとすると、移動にかかるガソリン代は193円です。
つまり、「200円節約」するために、「193円分のガソリンを消費」していることになります。その結果は7円の黒字です。
一応黒字ですが、月に4回給油する場合でも黒字価格は28円ですので、そこまで大きな節約とは言えないでしょう。
タイムパフォーマンス(タイパ)はどうか?
今回の前提では、金額的なお得感はあまりありませんでしたが、「タイパ」も考えたいものです。ガソリンを入れるために往復30分かかりますが、この時間の価値を考えてみましょう。
この時間を最低賃金の全国平均である1055円で働けるとすると、30分の時間価値は約528円です。この時間を節約できれば、その分有意義に使えます。コスパも考慮すると、節約どころか、時間的な損失も大きいと考えられるかもしれません。
夫に対してはどうするべき?
ここまでの計算を見れば、「やっぱり無駄だからやめたほうがいい」と思うかもしれません。しかし、 夫がドライブを楽しんでいる場合は話が変わります。
例えば、次のような場合です。
・運転そのものが好きでストレス解消になる
・気分転換のドライブを兼ねている
・お気に入りのガソリンスタンド(店員さんとの会話、ポイント制度など)がある
こうした理由があるなら、単純に「損だからやめて」と言っても、納得してもらえないかもしれません。また、これらの場合は無駄な出費というより、趣味や気分転換の一環と考えれば、必ずしも悪いことでもありません。
一方、夫が節約を主目的として行っているなら、計算結果を見せることで納得して隣町まで給油に行くのをやめる可能性もあります。
また、節約と趣味のバランスを取るなら、買い物や用事のついでに給油したり、クレジットカードのポイント還元を活用したりといった提案をしてもよいでしょう。
まとめ
ガソリンが1リットルあたり5円安くても、往復20キロメートルの燃料代を考えれば、結局ほとんど得にはなりません。さらに、30分という移動時間を考えると、節約どころか時間のロスも大きいと言えます。
しかし、夫が単に節約目的ではなく、ドライブ自体を楽しんでいる場合は、必ずしも無駄とは言えません。本当に節約したいなら、買い物のついでに給油するなどの工夫をすれば、お互いに納得できる形になることもあるでしょう。
お互いの価値観も踏まえて話し合い、楽しみとしての側面も尊重しながら、最適な折り合いを見つけていきましょう。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査
国土交通省 自動車燃費一覧(令和6年3月) ガソリン乗用車のWLTCモード燃費平均値の推移
※2025/4/28 記事を一部修正いたしました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー