志望大学に合格しましたが、入学しない学校の入学金を「20万円」支払いました……。返金はしてもらえないのでしょうか?

配信日: 2025.04.26

この記事は約 3 分で読めます。
志望大学に合格しましたが、入学しない学校の入学金を「20万円」支払いました……。返金はしてもらえないのでしょうか?
国立大学を第1志望としていても、滑り止めとして私立大学を数校受験するケースは多いと思われます。
 
しかし、私立大学に合格した場合に、入学金などを支払う期限が国立大学の合格発表前になることは珍しくありません。入学金を支払っても入学を辞退した場合には、返金してもらえるのでしょうか。
吉野裕一

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

http://moneysmith.biz

入学金は返金されない可能性は高い

滑り止めの大学に合格した場合、第1志望の国立大学の合格発表前までに、入学金や前期の授業料や諸会費などを支払わなければ入学ができないところは多いと思われます。
 
できれば第1志望に入学したい方も、不合格となった場合に滑り止めの大学へ行くことも考えて、仕方なく入学金などを支払っておくしかないことになります。
 
文部科学省が調査した「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」をみると、入学金は24万806円、授業料は95万9295円、施設設備費が16万5271円の合計は、136万5372円となっています。
 
授業料などは前期と後期に分けて払うというケースもあり、その他の費用が必要な大学もありますが、これだけの大金を支払うことになります。このうち入学金は「大学に入学をする権利を得る」という面もあるようで、返金してもらえるケースは少ないようです。
 

授業料や諸会費などは返還できる可能性がある

前述したように、入学金の返金ができる可能性は低いです。しかし授業料などについては、平成17年に訴訟が提起され、平成18年11月27日に判決が言い渡された事案があり、返還される可能性が高くなったようです。
 
授業料や諸会費については「これから受けるものに対する対価として支払う」という意味合いがあります。まだ受けてないものであるために、返金の可能性が高くなったようです。
 
授業料など返金される可能性があるとはいえ、第1志望の大学の結果が出るまでに入学金や授業料を払っておく必要があります。第1志望に合格したとしても、納付されたお金が返金されるまでには時間がかかるので、多額なお金を用意しておかなければなりません。
 

早いうちからの準備と受験校の絞り込み

教育費のなかで、一番大きなウエイトを占めるのが、大学の費用です。
 
子どもが生まれたときから、大学受験の期間はほぼ決まっているといってもよいでしょう。できるなら早いうちから準備をしておくことで、無理のない準備ができるといえます。
 
入学金は返金されませんが、1校で25万円前後、授業料などを期限内までに納めないといけないとなると130万円強の資金が必要になり、さらに子どもが2人、3人となると、それだけの資金を準備する必要があります。
 
また返金される可能性があるとはいえ、複数校に納付することになると、一層のお金が必要になり、大学進学後も子どもの生活費や授業料などがかかるでしょう。
 
最近では物価高が進んできて、今まで意識されてこなかったインフレについても意識せざるを得ない状況になったともいえ、教育費の上昇について考える人もいるのではないでしょうか。
 
教育費も今後増える可能性も否めません。早めに準備を始めて、インフレ率以上の利回りで増やしていくことも大切になります。滑り止めの大学を受験することについても、第1志望に落ちたとしても行きたいと思える大学を絞って、受験することが大切になります。
 
まだ子どもが小さいうちから教育費の準備についても考えて、子どもが望む進路へ進めるようにしておきたいものです。
 

まとめ

第1志望の大学の合格発表前に、滑り止めの大学で入学金等の納付期限がある場合には、大学の決めた入学金等を納付しておく必要があります。
 
ただ、入学金については、返金してもらえる可能性はとても低いと考えられますので、できれば滑り止め大学も第1志望の大学が不合格になったときには、行きたいと思える大学を選んでおきたいものです。
 
授業料などは返金される可能性はありますが、それでも納付する額が大きくなるので、早めに資金計画を立てて準備をしておきましょう。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
最高裁判所 裁判例結果詳細(不当利得返還請求事件)
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー

  • line
  • hatebu

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集