都内は「私立高校」も無償化と聞き、わが家も来年「神奈川→東京」に引っ越しを検討中!「100万円以上得になる」と思ってたけど、来年度からは引っ越ししても“意味はない”の? その理由は?

配信日: 2025.04.25

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都内は「私立高校」も無償化と聞き、わが家も来年「神奈川→東京」に引っ越しを検討中!「100万円以上得になる」と思ってたけど、来年度からは引っ越ししても“意味はない”の? その理由は?
東京都在住で都内の私立高校に通う場合、2025年度は授業料が年間で最大49万円まで無償となり、経済的な負担が軽減されます。しかし、神奈川県に住みながら都内の私立高校へ通う家庭の場合は、現状このような支援を受けることができず、不満を感じることもあるでしょう。
 
ただし、国は高校の授業料を無償化する方針で、2026年度以降は支給額が増える見込みです。そのため、これまで「都内に引っ越したほうが得なのでは?」と考えていた場合でも、思ったよりお得にならないかもしれません。
 
本記事では、世帯年収800万円の神奈川県在住者が都内の私立高校へ通う場合と、都内に引っ越して支援を受ける場合の費用を、具体的にシミュレーションして比較します。高校の授業料無償化についても解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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神奈川県に住み続ける場合にかかる費用は?

私立高校の授業料は、年間48万4000円と仮定します(都内私立高校平均授業料相当額)。2025年4月からは、所得に関係なく年間約12万円の就学支援金が支給されるため、年間の負担額は36万4000円になります。これに加えて、神奈川県内の住宅に住むための家賃が年間180万円(家賃15万円×12ヶ月)ほどかかると仮定します。
 
神奈川県内から都内の私立高校に通う場合、電車を利用することが一般的です。通学費用は距離や使う路線などにより異なりますが、例えば、定期券代が月1万円だとすると、年間で12万円の交通費がかかります。
 
これを含めると、神奈川県に住み続ける場合の年間費用は、授業料36万4000円と家賃180万円、そして交通費12万円を足した合計で約228万円となります。
 
なお、この金額は通学距離や家賃、生活スタイルによって変動することに留意してください。
 

都内に引っ越しをした場合にかかる費用は?

都内在住者であれば、私立高校の授業料は最大49万円(2025年度)が無償となります。これにより、授業料は無料になりますが、引っ越しにかかる費用が新たに発生します。
 
例えば、都内の住宅に住む場合も家賃は同額の年間180万円(家賃15万円×12ヶ月)とし、引っ越し費用や敷金・礼金などの初期費用が35万円程度かかると仮定します。
 
これらの初期費用を含めると、都内に引っ越した初年度の総費用は、家賃180万円と引っ越し費用35万円を足して、合計215万円となります。ただし、2年目以降は、引っ越し代金がないため、家賃180万円が年間の支出です。
 
なお、通学を見越しての引っ越しと仮定しているため、通学時の電車代の負担は考慮に入れていません。
 

どちらが得になる?

神奈川県に住み続ける場合、年間費用は約228万円です。一方、都内に引っ越す場合、初年度の費用は215万円で、13万円の節約になります。
 
ただ、2026年4月からは最大45万7000円の就学支援金支給が受けられるため、神奈川県から通った場合、授業料は年間48万4000円から45万7000円を引いた2万7000円となり、3年間で約8万円の負担に収まります。
 
仮に2025年4月からの3年間、神奈川県内から都内の私立高校に通う場合は初年度228万円、2年目以降は授業料2万7000円+家賃180万円+交通費12万円=194万7000円(年額)の負担となり、3年間で合計617万4000円がかかります。都内に引っ越した場合は3年間で575万円の負担のため、節約できる額は40万円ほどです。
 
なお、2026年4月からの3年間、神奈川県内から都内の私立高校に通った場合の3年間のトータル支出は584万円となり、都内に引っ越した場合の節約額は9万円にとどまります。
 

まとめ

神奈川県から都内の私立高校へ進学した場合、2024年度までは引っ越したほうが100万円以上節約になっていましたが、2026年度から高校授業料無償化が実施された後は、そこまで得になるわけではなさそうです。
 
なお、上記計算はあくまでシミュレーションのため、家賃相場や定期券代などが変動すると、結果が異なるかもしれません。そのため、高校の所在地や、住居などを考慮して、慎重に検討してください。
 

出典

文部科学省 高校生の学びを支えます。
公益財団法人東京都私学財団 私立高等学校等授業料軽減助成金事業(都の助成制度)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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