地方在住で、高3の子どもは「都内の私立大学」を目指しています。進学にかかる費用はどのくらいになるのでしょうか?
配信日: 2025.04.24
本記事では、入学前から卒業までに必要な費用の目安や、費用を抑える方法についてわかりやすく解説します。

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都内の私立大学、初年度にかかる費用はどのくらい?
私立大学では、学部によって学費が大きく異なります。文部科学省の「令和5年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査」によれば、私立文系学部の初年度納付金は平均で約119万円、理系では約153万円、医歯薬系では平均で約482万円ですが、400万円を超える場合もあります。
また、大学受験時には受験料や交通費、宿泊費なども必要です。受験料は1校につきおよそ3万円〜3万5000円が相場で、併願校が多くなるとその分費用がかさみます。
入学手続き時には、入学金として20〜30万円程度を一括で納める必要もあります。 このように、初年度にかかる費用は少なくとも150万円前後、高額な場合は200万円以上になることも珍しくありません。
自宅外通学なら生活費も大きな負担に
地方在住であれば、多くの学生は都内で一人暮らしをすることになります。賃貸契約には敷金・礼金・仲介手数料などが発生し、入居時には生活用品の購入も必要です。こうした初期費用だけでも50万円程度は見込んでおいたほうが安心です。
さらに、毎月の家賃(6〜7万円程度)に加え、食費、光熱費、通信費などを含めると、年間で140万円以上の生活費がかかるケースが一般的です。4年間で見ると、生活費だけで500万円を超える可能性が高いです。
進学費用を抑えるには?知っておきたい制度や工夫
こうした費用を少しでも軽減するためには、いくつかの制度や工夫を活用することが有効です。
まず検討したいのが「奨学金制度」です。日本学生支援機構の奨学金には、無利子の第一種、有利子の第二種といった貸与型に加え、返済不要の給付型もあり、条件を満たせば貸与または給付を受けられます。
次に、「学生寮」の利用も費用を抑える手段の一つです。大学によっては月額2〜4万円程度で利用できる場合もあり、家賃や光熱費を大きく節約できます。また、「共通テスト利用入試」を活用すれば、複数の私立大学を低コストで受験することも可能です。受験校を絞り込み、受験料や交通費の無駄をなくす工夫も大切です。
家族で話し合って、早めに資金準備を進めよう。
東京都内の私立大学に進学するには、学費だけでなく生活費なども含め、4年間で700万〜1000万円ほどの費用が必要になることもあります。特に医歯薬系の学部では、さらに高額となる場合があります。これは地方在住の家庭にとって大きな負担ですが、奨学金や寮などの制度をうまく使えば負担を軽減できます。
大切なのは、早い段階から家族で進学にかかる費用について話し合い、現実的な資金計画を立てておくことです。必要に応じて教育ローンや地方自治体の支援制度も活用し、安心して新生活をスタートできるよう準備を進めましょう。
出典
文部科学省 令和5年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー