地球に落ちる隕石は年間「2万個」!? 過去には「2.7億円」の値が付いたケースもあるようだけど、隕石の“所有権”は誰のもの? 隕石の価値についても解説
配信日: 2025.04.24

地球に落ちる隕石の数は1年間で約2万個といわれており、そのほとんどは人里から離れたエリア、または海上に落下しています。そのため、発見に至るのはレアなケースです。
本記事では、そのような珍しい隕石を見つけたとき、発見者と土地の所有者、どちらに所有権があるかについて解説します。興味を持った人は、ぜひ最後までご覧ください。

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隕石の価値
そもそも、隕石に価値はあるのでしょうか。結論から述べると、価値の有無は隕石次第です。
隕石の価値は、希少性と隕石そのものの重さによって決まります。一般的な価格相場は、100グラムあたり1~10万円です。
石質隕石かつ隕石特有の特徴がないものは、価値がつかないことも少なくありません。ちなみに、サハラ砂漠で見つかった13キログラムを超える月隕石には、2億7000万円という金額がつきました。
隕石の売買をする場合は、専門の業者に買い取ってもらう、またはインターネットを用いて個人売買を行うのが一般的です。
拾った隕石の所有権は誰にある?
偶然価値の高い隕石を発見した場合、隕石を拾った人、そして隕石が落ちていた土地の所有者の間で隕石の所有権を巡って争いになるケースもあります。実は、隕石の所有権が誰のものになるかは、落下した隕石の状態によって異なります。
以下では、落下した隕石の状態と、そしてその所有権がどのような理由で誰のものになるかについて順番に解説します。
隕石が土地に転がっていた場合
隕石が土地に転がっていた場合、隕石の所有権は隕石を拾った人にあります。民法第239条第1項には「所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する」とあります。
つまり、その時点で所有者がいない隕石であれば、隕石を拾った人が所有権を主張することが可能です。ただし、勝手に人の土地に侵入したうえで隕石を拾おうとすると、住居侵入罪や建造物侵入罪が成立する可能性があります。
隕石が土地にめり込んでいた場合
地面にめり込んだ隕石を拾った場合、隕石の所有権は隕石が落下した土地の所有者にあります。これは、民法第242条にて「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する」と定められているからです。
ただし、発見者の権利も保証されています。地面にめり込んだ隕石は埋蔵物として扱われますが、埋蔵物は遺失物、つまり落とし物のため警察に届けなければなりません。
このとき、落とし主が現れれば隕石はその落とし主に返還されますが、落とし主が現れなければ隕石は土地の所有者、そして発見者の間で折半されます。
所有権の有無は隕石を発見したときの状況次第!
以上、隕石の所有権について取り上げてきました。隕石がどのような状態で発見されたかによって、隕石の所有権が誰にあるのかは変化します。
その希少性から、一度はお目にかかりたいと考える人もいるでしょうが、隕石が落下したことで周囲に大きな衝撃波が発生し、甚大な被害が発生することもあります。今回取り上げた所有権にまつわるトラブルが発生するリスクも考えると、むしろ出合わないほうがよいのかもしれませんね。
出典
e-Gov法令検索 民法
e-Gov法令検索 刑法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー