「マイナ保険証」を使い始めて4ヶ月。「窓口負担が安くなる」と聞いたのですが、あまり実感がありません…。実際「紙の保険証」と医療費は変わっているのでしょうか?

配信日: 2025.04.23

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2024年(令和6年)の12月には、従来の保険証は使用できるものの、「マイナ保険証」の利用を基本とする仕組みに切り替えられました。「マイナ保険証」は、病院や薬局での受付をスムーズにできたり、診療や処方箋のデータを医師が確認しやすくなったりといったメリットがあります。
 
では、「紙の保険証」と比べると医療費に違いはあるのでしょうか。この記事では、「マイナ保険証」と「紙の保険証」の窓口負担に関する情報を中心に解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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「紙の保険証」新規発行終了以降は「マイナ保険証」利用の有無にかかわらず窓口負担は一律

オンライン資格確認が可能な医療機関で、患者の診療・薬剤情報などを活用して質の高い診療を行うための体制を評価するのが「医療情報取得加算」です。
 
2024年12月2日に「紙の保険証」の新規発行が終了しましたが、そのタイミングで「医療情報取得加算」が見直され、初診時・再診時・調剤時の点数が一律で1点(10円)に変更されています。
 
なお、2024年12月1日以前に「紙の保険証」を使った場合の点数は、初診時に3点(30円)、再診時に2点(20円)、調剤時に3点が加算されていました。
 

「医療DX推進体制整備加算」とは

オンライン資格確認によって得た患者の診療・薬剤情報などを活用できる体制を整備したうえで、電子カルテ情報共有サービスや電子処方箋を導入し、質の高い診療を行う体制を確保しているかを評価するものです。
 
「医療DX推進体制整備加算」は2024年10月以降、医療機関の「マイナ保険証」の利用率に応じて、「加算1」「加算2」「加算3」の3段階に区分されました。それぞれの加算の点数は、通常の医療機関や歯科、調剤によって異なります。
 

「医療DX推進体制整備加算」は初診時に「最大110円」が上乗せされる

2024年10月以降、初診時に所定の点数が加算されるのが「医療DX推進体制整備加算」です。
 
厚生労働省保険局医療課の「医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の見直しについて」によると、「医療DX推進体制整備加算」では最大で「加算1」の11点(110円)が上乗せされます。
 

医療費が高額になっても「マイナ保険証」なら限度額以上の窓口負担が不要になる

医療費が高額になると、「高額療養費制度」を利用できます。この制度は、医療機関や薬局で支払った金額が1ヶ月の上限額を超えたときに、超えた分の金額を支給するものです。
 
事前に「限度額適用認定証」を提示すると、窓口負担を上限額以内に抑えられます。しかし、提示しない場合は一時的に高額な費用を支払う必要があります。
 
「マイナ保険証」を利用すれば、「限度額適用認定証」を提示しなくても、「高額療養費制度」の上限額を超える分の一時的な支払いが不要になります。したがって、窓口負担は自己負担の上限額までになるのです。急な入院や治療が必要になっても、安心して病院を利用できるでしょう。
 

まとめ

現在「医療情報取得加算」としてかかる金額は、「マイナ保険証」や「紙の保険証」に関係なく一律で10円となっています。つまり、「マイナ保険証」を利用していても、病院や薬局でかかる医療費の窓口負担に「紙の保険証」との違いはないでしょう。
 
また、初診時にかかる「医療DX推進体制整備加算」は、「マイナ保険証」の利用率によって「最大110円」が上乗せされます。
 
「マイナ保険証」は「紙の保険証」と比べて、かかる医療費はほとんど変わりません。しかし、「限度額適用認定証」なしで「高額療養費制度」の上限額を超える支払いが不要になったり、病院や薬局の受付がスムーズになったりといったメリットがあります。
 

出典

厚生労働省保険局医療課 医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の見直しについて(5、11ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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