「2000円札はプレミアがつく」と聞きました。保管しておいた方がよいでしょうか?
配信日: 2025.04.23
この記事では2000円札の価値や、実際にプレミアがつくケースはあるのか、などについて解説しています。

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目次
2000円札の特徴
2000円札は、2000年7月19日に日本銀行によって発行された紙幣です。表面には沖縄県にある首里城の「守礼門」、裏面には日本の古典文学の傑作とされる「源氏物語絵巻」の一場面と、その作者である紫式部が描かれています。
守礼門は同年に行われた沖縄サミット開催にちなんで、源氏物語は日本を代表する文学であることから選ばれました。
2000円札は傾けると文字が浮かび上がったり角度を変えると色が変化したり、文字の部分が盛り上がるように印刷されていたりと、さまざまな偽造防止技術を導入した紙幣です。
2000円札にプレミア価値はある?
2000円札は、日常的に利用する紙幣として作られました。見かける機会は減っているかもしれませんが、2025年2月現在で9500万枚が流通しており、一般的には額面通りの価値となり、プレミア価値はないといえます。ただし、以下のような特殊なケースでは、若干のプレミアがつく可能性があるでしょう。
●発行が初期のもの
●ゾロ目、レアな数字やアルファベットの組み合わせなど、特殊な番号が印刷されている
●印刷ミス、裁断ミスなどがある
2000円札の中には、ゾロ目といわれる同じ数字(7777777など)が印刷されたものや、エラー印刷といわれる、通常一致している上下の記号部分がズレている紙幣が確認されることもあります。
2000円札に限らず、ほかの紙幣でもレアな特徴があるものは、買取価格が非常に高額になることも珍しくありません。
2000円札にプレミア価値がつきにくい理由
2000円札は、発行から一定数が市場に出回っており、レアな紙幣とはいえないかもしれません。また、発行開始から25年経過しているとはいえ、現行の紙幣のひとつです。プレミアがつきやすい旧紙幣と比べると、歴史的な価値や希少性を持つには至っておらず、コレクターの間でも大きな注目は集まりにくいようです。
沖縄県では現在でも2000円札が流通している
2000円札は他の紙幣と比べて目にする機会が少ない紙幣のひとつです。ATMや自動販売機などで対応していないケースも多く、小売店やサービス業での利用も比較的限られている傾向にあります。
しかし、沖縄サミットが開催された沖縄県では、銀行をはじめ地域の団体などの取り組みにより、2000円札の利用が促進されてきました。その結果、現在でも一定量が流通しており、対応するATMも多く設置されています。
現在、2000円札でプレミアがつくのはエラー紙幣や番号が珍しいものに限られる
一般的な2000円札にプレミア価値はほとんどついていないのが現状です。2000円札は対応する設備が少ないことなどが関係し、流通状況は限定的といえますが、使用可能なお金として出回っており、額面を上回る価値がつくことは少ないでしょう。
ただし、珍しい番号やエラー紙幣などの特殊な条件を満たすものは、価値が上がる可能性があります。そのため、2000円札は投資や価値の向上を目指して保管するというよりは、記念品として保管しておく方が向いているかもしれません。
ミレニアムや沖縄サミットを記念して発行された2000円札は、日本の文化や歴史が感じられるデザインになっています。そうした背景を知ることで、日本の魅力を再発見するきっかけにもなるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー