毎年「盆と正月」に実家へ帰省していますが、今年は「GWも祖父母宅へ行きたい」とリクエストする子どもたち。年金暮らしの両親には迷惑でないでしょうか?

配信日: 2025.04.23

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毎年実家への帰省を楽しみにしている人も多いかもしれません。しかし、遠方にある実家への帰省となると、交通費やお土産代などの支出が増えることもあるでしょう。さらに、実家の両親が食費や光熱費、レジャー費などを負担している場合もあります。
 
そこで今回は、年金生活の両親が年に3回の帰省(お正月、GW、お盆)に対して、どれほどの経済的負担を抱えているのかを解説します。実家への帰省が楽しみな一方で、両親の負担になっていないか不安という方はぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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親が負担する帰省にかかる費用はどれくらい?

株式会社ハルメクが「帰省してくる子がいる親世帯」または「帰省先がある子世帯」に該当する133名を対象に行った調査によると、調査結果では、親が負担するのは一部の場合が最も多く33.3%、全額負担の家庭は17.9%、子どもが一部負担しているケースは17.1%でした。 実際に親が支出している金額の内訳は以下のようになっています

●1位:1万円以上~3万円未満(39.8%)
●2位:1万円未満(22.9%)
●3位:3万円以上~5万円未満(19.3%)

1回の帰省にかかる負担は5万円を上限としているご家庭が多いようです。また、親が負担している内容として最も多かったのは、食費(42.8%)、次いでレジャー費(19.7%)、ショッピング費(17.1%)です。
 
子どもの帰省費用を負担する理由としては、「親として負担してあげたい」との思いが強く、子どもを大切に思う親心が表れていることが分かります。
 

年金暮らしの両親の経済事情は?

総務省統計局の2024年家計調査報告(家計収支編)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯のひと月における可処分所得は22万2462円、消費支出は25万6521円です。このことから、65歳以上の夫婦のみ無職世帯ではひと月3万4059円の不足が出ることが分かります。
 
仮に子ども世帯の帰省のたびに親が5万円を負担した場合、年3回(お正月・GW・お盆)の帰省で親の負担額は1年で15万円です。年金生活の親にとって、子どもの帰省費用を負担し続けることは経済的に厳しくなる可能性があるといえます。
 

親の負担を減らすために心がけるべきこと

親が帰省費用を負担しすぎないようにするためには、帰省費用の分担割合について事前に親子で話し合って決めておくことが大切です。
 
同調査によると、帰省に関する費用の負担を親子で話し合った家庭は少なく、90%以上がそのような経験がないと回答しています。
 
親からは「現役時代は負担できるが、年金生活では不安」「できれば子世帯にも費用を負担してほしい」という声が多く、子ども側からは「費用を払いたくても受け入れてもらえない」「実家での生活費は親が負担してきたので、今更費用を話すのは気が引ける」という意見もあります。
 
親が帰省費用を負担し続けることで、老後資金や介護費用に影響が出ないように、早めに親子で話し合い、負担割合を明確にしておくことが大切です。
 

年金暮らしの親が帰省費用を負担している場合は経済的に厳しい可能性がある

帰省費用の親の負担は1回につき5万円程度であることが分かりました。これには滞在中の食費やレジャー費、ショッピング代などが含まれます。
 
総務省の家計調査では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では月に3万4059円の赤字が出ているため、子どもの帰省費用が親にとって大きな経済的負担になる可能性も考えられます。帰省時の親の経済的負担を軽減するためにも、親子で費用分担についてきちんと話し合い、事前に割合を明確にしておくことが大切です。
 

出典

株式会社ハルメク 子どもの帰省、親の負担相場は5万!?親子の経済事情
総務省統計局 家計調査報告【家計収支編】2024年(令和6年)平均結果の概要 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2024年- (19ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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