同じ住宅街の築浅「3階建て」中古住宅がずっと売れていないのですが、需要がないのでしょうか?ほかの「2階建て」は売れているので気になります…
配信日: 2025.04.22

本記事では、3階建て住宅のメリットとデメリットをまとめるとともに、3階建てが売れにくいと感じる理由やそれぞれの中古住宅の相場についてもご紹介します。

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3階建て住宅のメリット
都市部で戸建てに住みたいと思っても、土地代が高くて十分な広さの土地を購入できない場合もあるでしょう。3階建て住宅であれば、縦に空間を伸ばせるため、土地が狭くても必要な部屋数を確保できます。
また、2階建てよりも高さがあるので眺望がよく、日当たりが確保しやすいことや周囲からの視線を気にする必要がないことなどもメリットでしょう。「1階はガレージ、2階はリビング、3回は寝室」などのように、フロアごとに用途を分けた間取りにできることもメリットのひとつと考えられます。
さらに、自然災害により近隣の河川が氾濫した際などに、水害のリスクに備えられるのも3階建て住宅ならではのメリットといえるでしょう。
3階建て住宅が売れにくいといわれる理由
メリットがある一方で、2階建てに比べると売れにくいといわれることがあるようです。
その理由のひとつとして、生活するうえで階段を上り下りする機会が多くなることが挙げられます。高齢になるにつれて上下階への移動が大変になり、生活に不便を感じるようになるかもしれません。
特に、リビングやキッチンなどの生活スペースが2階や3階にある場合、買い物後に荷物を運ぶ必要があるため、負担が大きくなる可能性があります。
さらに、高さがある分、地震や強風などの影響で建物が揺れやすく、住んでいて不安を感じる人もいるでしょう。大型のトラックが家の前を通っただけでも揺れを感じる可能性があるため、落ち着かない生活になるかもしれません。
このような理由から、3階建て住宅を候補から外す人もいるようです。
3階建てと2階建て中古住宅の相場
一般的には、2階建てよりも3階建ての方が建設費用は高くなるといわれています。その理由として、2階建てに比べて地盤改良の金額が高くなったりする可能性があることなどが挙げられます。
東京都心部における3階建てと2階建ての中古住宅では、価格にどのくらいの違いがあるのか確認してみましょう。ある住宅サイトで紹介されている中古住宅の条件と価格を表1にまとめました。
表1
2階建て中古住宅 | 3階建て中古住宅 | |||
---|---|---|---|---|
A | B | A | B | |
価格 | 7900万円 | 8980万円 | 8780万円 | 9300万円 |
完成時期 | 2012年 | 1981年 | 2019年 | 1990年 |
間取り | 3LDK | 4LDK | 3LDK | 5LDK+S |
土地面積 | 79.25平方メートル | 90.57平方メートル | 43.49平方メートル | 106平方メートル |
交通 | 駅から徒歩6~8分 | 駅から徒歩8~14分 | 駅から徒歩8~12分 | 駅から徒歩6~18分 |
※筆者作成(2025年4月時点)
表1の例を見ると、3階建てと2階建てではそれほど大きな価格差があるわけではないようです。3階建てだと土地面積が狭い分、土地代が安く済む場合もあることが関係しているのかもしれません。
今回の事例のように「同じ住宅街で2階建ての中古住宅は売れているのに、3階建ては売れていない」という場合、値段以外の理由で3階建て住宅が売れにくくなっていることもあると考えられます。
3階建て住宅は「住みにくい」などの理由で売れにくい可能性がある
3階建て住宅には「狭い土地でも部屋数を確保できる」「高さがあるので眺望や日当たりがよい」などのメリットがあります。しかし、上下階への移動が負担になったり地震の影響を受けやすかったりするなど、デメリットに感じる部分もあり、2階建て住宅よりも売れにくい可能性があります。
3階建てと2階建てでは価格にはそれほど大きな差がない場合もあるようなので、価格以外の理由で3階建て住宅が売れ残っていることも考えられるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー