更新日: 2019.06.21 その他

鼻はズルズル 花粉症対策に周りはいくら使っているのか調査してみた

鼻はズルズル 花粉症対策に周りはいくら使っているのか調査してみた
真冬の厳しさも去り、日に日に空気が暖かくなってきました。分厚いコートやマフラーも要らず、実に過ごしやすい季節になってきましたね。
 
でも、この時期にやってくる憂鬱の種があります。そう、“花粉症”です。
 
いまや国民病とも言える花粉症は、スギなどに代表される花粉によるアレルギー症状で、子どもからお年寄りまで発症します。長年、花粉症に悩まされてきた人からすると、「昔に比べて随分と薬やアイテムが充実してきてるわよ~」と言いますが、現状はどうなのでしょう?
 
国が取る対策とともに、実際の状況を見ていきたいと思います。
 
畑美雪

執筆者:畑美雪(はた みゆき)

フリーライター

雑誌を中心に取材やインタビュー記事を執筆中。
これまでの活動場所:タウン誌「湘南百撰」/情報誌「月刊公募ガイド」/WEBマガジン「カーサミアクラブ」

花粉症患者1000人に聞いてみた! ツライ症状の対策は?

外に出た途端、くしゃみの連発。鼻水たらたら、目はしょぼしょぼ。花粉症の人たちは、どのような対策をしているのでしょうか。
 
株式会社マクロミルでは、全国の2万人に対し、花粉症の実態把握調査を行いました。すると、「花粉症の症状がある」と答えた人は、全体の40%でした。
 
その中で、スギ花粉による花粉症の症状がある1000名に、スギ花粉飛来時期の症状を聞いてみたところ、最も多かったのは「鼻水(94%)」。次に「くしゃみ(89%)」「眼のかゆみ(81%)」と続きました。「最もつらい症状」は、上位から「鼻水(40%)」「眼のかゆみ(23%)」「鼻づまり(21%)」となりました。
 
大事なビジネスシーンや、試験中に鼻水が止まらないなんて嫌ですよね。女性はお化粧崩れの原因にもなって本当に厄介です。
 
同じく、スギ花粉症の症状がある1000名に具体的な対策を聞いてみたところ、「マスク」が70%と最も多く、2位は「目薬」で57%でした。3位は「病院での診察や治療、処方箋医薬品」、4位は「アレルギー症状を抑える市販薬」と、医療による対策が並びました。その中で第5位に入ったのは「ヨーグルト」です。
 
また、スギ花粉症の対策をしている982名に対し、「スギ花粉対策の平均予算」について尋ねてみると、平均予算は4730円という結果に。予算帯で見てみると、最多回答は「1000円以上~3000円未満」で46%。「3000円以上~5000円未満(24.0%)」「5000円以上~10000円未満(15.9%)」でした。
 

国が行う花粉症対策とその費用

続いて、国による花粉症対策をみてみましょう。
 
農林水産省 林野庁が行う「花粉発生源対策推進事業」では、「スギ花粉症は国民の3割が罹患しているといわれており、花粉発生源対策の推進が必要」という背景から、平成30年度予算概算決定額を1億1500万円としました。
 
しかしながら、「これまで少花粉スギ等の花粉症対策品種の開発・生産拡大等に取り組んできたが、スギ苗木供給量全体に占める花粉症対策苗木の割合は約2割(平成27年度)」という記載があるように、対策の完了にはまだまだ時間がかかるようです。
 
この「花粉発生源対策推進事業」の具体的な内訳は、下記のとおり。
 
・総合的な花粉発生源対策の強化及び普及…1000万円
・花粉症対策苗木への転換の促進…6000万円
・スギ花粉飛散防止剤の実用化試験…2900万円
・スギ・ヒノキ花粉の発生量推定の推進…1600万円
 
林野庁は、「平成44年にスギ苗木の年間生産量に占める花粉症対策に資する苗木の割合を約7割」とすることを目標としています。
 
多くの人が苦しめられている花粉症。個人での対策にも限界があります。国による対策に大きな期待がかかりますね。
 
症状がある人はもちろん、まだ罹っていない人もお互いにいたわり合って、つらい花粉シーズンを乗り越えていきましょう。
 
株式会社マクロミル 「花粉症」をテーマとしたアンケート調査
農林水産省 林野庁 「花粉発生源対策関連補助事業」
 
執筆者:畑美雪(はた みゆき)
フリーランス・ライター
 

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