料金改定が進む新幹線に、新幹線好きの友人が落ち込んでいました。ざっくりと「5000円」くらいはかかるイメージがあるのですが、4月から値上がりするのはどこの路線でしょうか?

配信日: 2025.04.18

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新幹線の利用料金が2025年4月から値上がりすることをご存知でしょうか。よく利用する友人が落ち込むこともあるでしょう。どの路線でどのくらいの変化があるのか、詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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2025年4月から新幹線料金はどう変わるのか

2025年4月1日から、JR西日本とJR九州が新幹線運賃を改定します。これに伴い、東海道、山陽、九州新幹線の一部区間で料金が変更され、値上げと値下げが行われるため、混乱する人もいるかもしれません。例えば、京阪神エリアでは料金の値上げと値下げが混在します。一方、九州で行われるのは値上げです。
 
スマートEXで普通車指定席を利用する場合には、表1のような変更があります。これらの変更は、JR西日本の京阪神都市圏における運賃体系の見直しや、JR九州の運賃・料金改定に伴うものです。
 
表1

区間 改定前料金 改定後料金 増減額
京都ー西明石 4140円 4160円 +20円
京都ー姫路 5600円 5500円 -100円
博多ー鹿児島中央 10110円 11420円 +1310円

出典:出典元JR西日本・JR九州ホームページより筆者作成
 

新幹線の料金の決め方

新幹線の料金は、「運賃」と「新幹線特急料金」の合計で構成されています。運賃はJR線に乗車するための基本的な料金で、距離に応じた設定となっています。
 
また、新幹線特急料金は、新幹線を利用する際の追加料金で、これも距離に応じて変動します。指定席やグリーン車を利用する場合は、さらに追加料金が必要です。
 

なぜ料金が改定されるのか?

今回の料金改定の主な理由は、各鉄道会社の運賃体系の見直しやコスト増加です。
 
1つ目の料金改定要因はエネルギーコストの上昇です。新幹線の運行には大量の電力が必要で、近年の電気料金の上昇が大きな影響を及ぼしています。特に火力発電に依存している地域では、電力料金の値上がり幅が大きく、鉄道会社のコスト増加に直結しています。
 
2つ目の料金改定要因はメンテナンス費用の増加です。新幹線の線路や車両の状態維持には定期点検や修繕が欠かせません。修繕に必要な材料費や近年の人件費の高騰が料金に反映されています。また、開業して半世紀が経過した東海道新幹線や山陽新幹線では、老朽化した車両の更新もコスト増加の一因となっています。
 
3つ目の料金改定要因はサービス向上のための設備投資です。新幹線車内の高速Wi-Fiの導入や座席のリニューアル、ホームドア導入など、駅施設改良を通じて、快適で安全な乗車環境を維持するための設備投資が継続されています。
 
以上の理由から、JR西日本では、京阪神エリアの運賃体系を3種類から統一する見直しを行ったため、一部区間で料金の増減が発生しています。また、JR九州は平均15.0%の運賃値上げを実施し、九州新幹線の乗車券・特急券ともに値上げすることになったのです。
 

料金が変わっても快適な旅

料金が変わっても、新幹線は快適な旅の実現のためにさまざまな座席タイプを提供しており、目的や予算に応じた選択が可能です。
 
自由席は座席の指定がなく、空いている席に座れます。料金は指定席よりも安く設定されていますが、混雑時には満席で座れないことがあるかもしれません。
 
指定席は事前に座席を指定でき、確実に座れます。自由席よりも料金は上がりますが、目的地まで快適に移動ができます。
 
グリーン席はより快適な上級クラスの座席です。料金は指定席よりも高く設定されていますが、リクライニングシートや足元の広さなど、快適性が向上します。
 
さらに、S WorkPシートはビジネスパーソン向けに設計された座席です。東海道・山陽新幹線の「のぞみ」7号車「S Work車両」に導入されています。
 
現在は通常の指定席料金に加え、1200円追加で支払うことによって利用可能です。ただし、2025年5月15日乗車分からは2000円に値上されます。この席の特徴は、中央のB席をなくし、隣席との間にパーティションを設けることで、プライバシーと作業効率を高めている点にあります。また、座席でWebミーティングもできるのがメリットです。
 

4月からも快適な新幹線

新幹線の料金は2025年4月から改定されますが、サービスが悪くなることはありません。コストの見直しなど、サービスを維持するための企業努力をした結果です。
 
仕事や旅行の移動手段として、快適に移動できる新幹線を今後も上手に使っていくのがよいでしょう。
 

出典

東海旅客鉄道株式会社 西日本旅客鉄道株式会社 九州旅客鉄道株式会社 「エクスプレス予約」・「スマートEX」の商品改定について
JR東海 S Work車両
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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