アイドリングストップ機能は廃止の動きがあるって本当？ アイドリングストップ車のバッテリーは3万円程度するらしいですが、それも原因なの？

信号待ちでエンジンを自動停止させる「アイドリングストップ機能」は、燃費向上と環境負荷軽減の切り札として期待されました。しかし、近年は廃止される動きが出ているようです。
 
そこで本記事では、アイドリングストップ機能の概要や、廃止になる背景について解説します。

アイドリングストップ機能とは？

アイドリングストップ機能とは、赤信号での停車や渋滞時など、車が停止した際に自動的にエンジンを停止させるシステムのことだといわれています。 停車中に無駄な燃料消費と排気ガス排出を抑えることを目的として開発され、燃費向上と環境負荷軽減に貢献すると期待されていたようです。
 
多くの自動車メーカーがこぞって採用し、一時期はエコカーの代名詞的存在として広く普及したといわれています。
 

なぜ廃止の動きがあるのか？

環境性能と燃費向上に貢献するはずのアイドリングストップ機能は、近年、多くの車種で廃止される傾向にあるようです。この背景にはいくつかの複雑な要因があり、まずは効果の限定性が考えられます。
 
理論上は、アイドリング中の燃料消費をゼロにすることで燃費向上に効果的だといわれています。しかし、特にストップ＆ゴーの多い都市部では頻繁にエンジンの再始動が必要となるため、期待されたほどの燃費向上効果が得られないケースがあるようです。
 
また、バッテリーやエンジンへの負担も無視できません。エンジンの再始動には、バッテリーやスターターモーターへの大きな負荷がかかり、これらの部品の寿命を縮める可能性があります。
 
さらに、一般的なバッテリー交換費用が5000〜2万円程度であるのに対し、アイドリングストップ車用のバッテリーは1万〜3万円する場合もあり、維持費の増加につながる可能性があることも廃止の要因だと考えられます。
 
なお、自動車業界の技術革新も影響しているようです。ハイブリッド車（HV）や電気自動車（EV）といった電動車の普及が進み、停車時のエンジン停止がよりスムーズになりました。そのため、アイドリングストップ機能は必要ではなくなりつつあるのかもしれません。
 
一方で、ドライバーの快適性も忘れてはなりません。アイドリングストップ機能による再始動時のタイムラグや、エアコンの効き具合の変化は、ドライバーにとって少なからずストレスとなる場合がありました。これらの快適性・利便性も、廃止の流れを加速させた一因といえるでしょう。
 

アイドリングストップ機能は廃止される傾向

アイドリングストップ機能は、燃費向上と環境負荷軽減を目指して開発・搭載されたといわれています。しかし、実用上の効果やコスト、技術の進歩などを考慮した結果、多くの車種で廃止される傾向にあるようです。HVやEVといった電動車の普及により、効率的な環境対策が進んでいると考えられます。
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー