新卒で春から月給23万円の「丸の内」勤務に! 学生の頃から住んでるアパートは「家賃5万円」だけど、通勤に1時間30分かかるのが不安。遠くても節約できるなら“我慢”すべき?
配信日: 2025.04.19

往復3時間というのは意外と大きな負担で、果たしてそのまま安い家賃を優先すべきか、少しでも通勤時間を短くするために家賃を上げて都内に引っ越すべきか……
このようなケースでは迷う人も多いでしょう。今回は、通勤時間が生活に与える影響や家賃相場の目安、丸の内まで30分程度でアクセスしやすい地域などを考えながら、どちらを優先するのがよいのかを検討してみたいと思います。

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通勤時間の平均はどれくらい?
図表1は、総務省統計局が公表した「令和3年社会生活基本調査」の都道府県別通勤・通学の平均時間データです。データによると、東京で働く人の平均通勤時間は往復1時間30分ほどとされています。
1時間を超えると「やや遠い」と感じる人が多いようですが、今回のケースの往復3時間は平均の倍ですから「かなり遠い」ことになります。3時間となると1日のうちかなりの時間が通勤に消えてしまう計算です。
特に社会人1年目は、新しい環境に慣れるための自己学習や周囲とのコミュニケーション、あるいは残業などで働く時間が長くなりがちな時期でもあります。そのため、長時間通勤は身体的にも精神的にも大きな負担となり得ます。
図表1
総務省統計局 令和3年社会生活基本調査
往復3時間の通勤が生活に与える影響
会社に滞在する時間を(休憩も含めて)9時間ほどと見積もると、そこに往復3時間を足して平日は合計12時間がほぼ拘束される形になります。さらに、睡眠時間を7~8時間確保しようとすると、自宅などで自由に使える時間は残り3~4時間ほどしかありません。
これでは自炊や趣味、勉強などをこなすのは厳しく、休日に予定が詰まっていたりするとあっという間に疲れがたまってしまう可能性が高いでしょう。
丸の内は、オフィスビルだけでなく、周辺の商業施設やアミューズメントなども魅力的ですが、家が遠いと勤務後の時間を満喫する余裕がなくなり、平日はひたすら通勤と仕事の繰り返しになる恐れがあります。
丸の内まで30分で行ける地域と家賃相場
丸の内までのアクセス時間を30分程度に抑えたい場合、路線や駅によって家賃相場は大きく変動します。
東京メトロやJR山手線沿いなど利便性の高いエリアは、駅近であればワンルームでも家賃10万円以上はかかると覚悟する必要があります。しかし、同じ路線でも数駅外れたり、徒歩15分以上かかる物件を探したりすれば、家賃が1~2万円安いお宝物件が見つかることもあります。
具体例として、JR京浜東北線の川口駅は東京駅まで約25分で到着でき、家賃相場は、ワンルームなら7万円程度、1Kなら8万円台が中心です。また、JR総武快速線の船橋駅も東京駅まで乗り換えなしで約25分とアクセスが良く、家賃相場はワンルームなら6万円程度、1Kなら8万円程度と、都心部に比べると割安な傾向があります。
沿線にこだわらなければ、意外に家賃の安い駅が存在し、乗り換えを挟んでも30分前後で丸の内に着けるケースは珍しくありません。最近は、不動産情報サイトやアプリで検索条件を細かく設定できるので、通勤時間や予算を比較しながら最適な物件を探す手段はいろいろあります。
家賃と時間、どちらを優先するか
結論からいえば、家賃を抑えるか通勤時間を短縮するかは、個々の生活スタイルや価値観によって大きく異なります。例えば、まだ若いうちに貯金を優先したい人や、平日は睡眠時間が確保できれば問題ないという人は、安い家賃を選んで浮いたお金を貯蓄や自己投資に回すことも可能でしょう。
一方、新卒のうちから体力的・精神的な余裕を確保したいと思う人は、やや家賃が高くても通勤時間を1時間未満に抑えるほうが、生活の質を上げやすいでしょう。通勤ストレスが少ないと、仕事のパフォーマンスも高まりやすいという声もあります。
どちらにしても定期的に見直しを行い、タイミングやライフスタイルの変化に合わせて柔軟に住まいを選ぶことが大切です。
※ 2025/4/21 記事を一部、修正いたしました。
出典
総務省統計局 令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー